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5分でわかる!クエン酸回路

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この動画の要点まとめ

ポイント

クエン酸回路

高校 生物 代謝13 ポイント2 すべてうめる

これでわかる!
ポイントの解説授業
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①の解糖系に続き、②のクエン酸回路について、詳しく見ていきましょう。

クエン酸回路⇒最初にクエン酸を生成する反応系

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解糖系で生じたピルビン酸は、ミトコンドリアのマトリクスに取り込まれます。
このときに起こるクエン酸回路の様子を表したのが、次の図です。

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なお、図で丸く囲まれたC4などの表記は、その物質がC(炭素原子)をいくつもっているかを表しています。

高校 生物 代謝13 ポイント2 図のみ・C3H4O3うめる
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それでは、反応の流れを順番に見ていきましょう。
クエン酸回路では、化学反応が次々と起こり、物質が循環します。
最初に注目するのは、図の上の部分です。
解糖系で生じたピルビン酸がミトコンドリアに到達しました。
このとき、外膜と内膜を通って、マトリクスに進入していますね。

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このとき、ピルビン酸が活性酢酸へ変化しています。
次に、活性酢酸が、オキサロ酢酸と反応して、クエン酸ができます。
反応系において一番最初に生成する物質がクエン酸なので、クエン酸回路というのですね。

クエン酸→α-ケトグルタル酸→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸→…

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クエン酸はさらに、次のような流れで循環していきます。
 クエン酸→α-ケトグルタル酸→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸→…

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このときに出入りする物質に注目しながら、順番に確認していきましょう。
注目するのは、二酸化炭素・水素・水・ATPの4つの物質です。

二酸化炭素を放出する反応は3つ

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二酸化炭素が放出される反応が3つあります。

高校 生物 代謝13 ポイント2 図のみ・C3H4O3とCO2うめる
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まずは、ピルビン酸から活性酢酸へ変化する過程を見てください。
ピルビン酸はCを3つもっていますが、活性酢酸はCを2つしかもっていませんね。
このことからも、二酸化炭素が放出されたことがわかります。

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他にも、クエン酸がα-ケトグルタル酸へ変化する過程、α-ケトグルタル酸がコハク酸へ変化する過程でも、二酸化炭素が放出されています。
どの反応でも、物質のもつCの数が減っていることに注意しましょう。

水素を放出する反応は5つ

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次に、水素に注目しましょう。
図を見てください。

高校 生物 代謝13 ポイント2 図のみ・H2OとATP以外うめる
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クエン酸回路でも、解糖系と同じように水素が放出されます。
図では、水素が放出される反応が5つあります。
また、水素がNADH + H+ というかたちで放出される反応と、**FADH2**というかたちで放出される反応があります。

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ピルビン酸から活性酢酸クエン酸からα-ケトグルタル酸α-ケトグルタル酸からコハク酸リンゴ酸からオキサロ酢酸という4つの化学反応においては、水素はNADH + H+ というかたちで放出されます。
一方、コハク酸からフマル酸へ変化する過程では、FADH2 というかたちで水素が放出されます。
FADH2とは、水素がFADと結合したものです。

水を必要とする反応は3つ

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次に、に注目しましょう。
図を見てください。

高校 生物 代謝13 ポイント2 図のみ・ATP以外うめる
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水を必要とする反応が、3つあります。
オキサロ酢酸からクエン酸α-ケトグルタル酸からコハク酸フマル酸からリンゴ酸という3つです。

ATPが合成される反応は1つ

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最後に、ATPに注目しましょう。

高校 生物 代謝13 ポイント2 図のみ・すべてうめる
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ATPが合成される反応が、1つあります。
図を見ると、α-ケトグルタル酸からコハク酸が生成される過程で、ATPが生成されていることがわかります。
そもそも呼吸のような異化の過程では、有機物を分解してエネルギーを生成することが特徴でした。
そのため、解糖系と同じように、クエン酸回路でもATPが生成するのですね。

クエン酸回路をまとめると…

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クエン酸回路は複雑ですが、化学反応式とあわせてしっかり覚えましょう。
このときの反応を、式にまとめると、次のようになります。

高校 生物 代謝13 ポイント2 式のみ、すべてうめる
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クエン酸回路では、2molのピルビン酸が、6molの水と反応します。
そして、6molの二酸化炭素を放出しつつ、8molのNADH + H+2molのFADH2を生成しながら、2molのATPを生成します。

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また、クエン酸回路全体で20molの水素原子が生成され、呼吸の3番目の反応である水素伝達系(電子伝達系)へ移ることもおさえておきましょう。

高校 生物 代謝13 ポイント2 すべてうめる

この授業の先生

星野 賢哉 先生

高校時代に生物が苦手だった経験をいかし、苦手な生徒も興味をもてるように、生命現象を一つ一つ丁寧に紐解きながら、奥深さと面白さを解説する。

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