今回のテーマは、「グルコースの構造」です。

前回は、単糖類の代表として、グルコースやリボースなどを紹介しましたね。
また、単糖類には、水に溶けやすかったり、還元性をもっていたりという性質がありました。
さて、今回は、グルコースの構造について、学習していきましょう。
少し複雑に思えるかもしれませんが、ポイントさえ押さえておけば、そんなに難しくはありません。

次の図を見てください。

２つの構造式が並んでいますね。
これらは、どちらもグルコースを表しています。
ただし、一箇所だけ構造が違うので、２つに分けられています。

みなさんは、どこに違いがあるか、わかりますか？
一番右端に注目してみましょう。

左のグルコースにおいては、上に水素、下にヒドロキシ基が結合していますね。
それに対して、右のグルコースにおいては、上にヒドロキシ基、下に水素が結合しています。
ちょうど、水素とヒドロキシ基の上下が逆転しているわけです。

左のグルコースのように、下にヒドロキシ基がついているものを、α－グルコースといいます。
右のグルコースのように、上にヒドロキシ基がついているものを、β－グルコースといいます。

非常に細かい違いに見えるかもしれませんが、多数のグルコースが結合すると、大きな違いとなって現れるのです。
両者の見分け方を、きちんと押さえておきましょう。