5分でわかる!グルコースの水溶液中での平衡
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この動画の要点まとめ
ポイント
右端のヒドロキシ基が下ならばα-グルコース、上ならばβ-グルコース
みなさんは、グルコースの構造について学習してきましたね。
グルコースには、2種類の構造があり、α-グルコースまたはβ-グルコースと呼ばれていました。
見分けるポイントは、構造式の右端でしたね。
下にヒドロキシ基があればα-グルコース、上にヒドロキシ基があればβ-グルコースでした。
さて、今回は、α-グルコースとβ-グルコースの関係について、より詳しく見ていきましょう。
3つ目のグルコースは鎖状構造
以前の授業で、グルコースは分子内に多数のヒドロキシ基をもつため、水に溶けやすいと学習しましたね。
それでは、水中のグルコースは、どのような状態で存在しているのでしょうか?
次の図を見てください。
図の下には、2つのグルコースがかかれています。
左がα-グルコース、右がβ-グルコースです。
ここまでは、みなさんも知っている物質ですよね。
それでは、図の上にある物質はどうでしょうか?
この物質もグルコースの一種ですが、鎖状構造とかかれていますね。
輪のような環状構造ではなく、鎖のような一列の構造になっているというわけです。
確かに、構造式の右上の部分に注目すると、環状構造が切れていますね。
水溶液中のグルコースは、化学平衡の状態
そして、みなさんに一番注目してほしいのは、両向きの矢印があることです。
この矢印は、グルコースがどちらの向きにも変化するということを表しています。
つまり、α-グルコースがグルコース(鎖状構造)になることもあれば、逆にグルコース(環状構造)がα-グルコースになることもあるのです。
みなさんは、これとよく似た反応を知っていますよね。
化学平衡の状態を思い出しましょう。
水溶液中においては、「α-グルコース⇔グルコース(鎖状構造)⇔β-グルコース」の3つが釣り合っているイメージです。
α-グルコースは、グルコース(鎖状構造)を経由して、β-グルコースになります。
同時に、β-グルコースも、グルコース(鎖状構造)を経由して、α-グルコースになります。
グルコース(鎖状構造)がアルデヒド基をもつので、還元性を示す
ちなみに、グルコース(鎖状構造)の構造式にもポイントがあります。
環状構造が切れている部分に注目してください。
ヒドロキシ基とアルデヒド基に分かれていますね。
実は、このアルデヒド基があるために、グルコースは還元性を示すわけです。
今回のテーマは、「グルコースの水溶液中での平衡」です。