今回のテーマは、「マルトースの性質」です。

前回は、マルトースの構造について紹介しました。
マルトースは、２つのα－グルコースが脱水縮合することによって生じるのでしたね。
今回は、そんなマルトースの性質に注目しましょう。

マルトースの原料となるグルコースは、還元性をもつ物質でしたね。
グルコースは、水中で鎖状構造となり、環状構造が開きます。
このときに、アルデヒド基が形成されるため、還元性を示すのでしたね。

それでは、グルコースからできるマルトースは還元性をもつのでしょうか？
もう一度マルトースの構造を見てみましょう。

構造式の一番右端に注目してください。
この部分の構造は、グルコースのままになっていますね。
そのため、水中ではこの部分が開き、アルデヒド基になるのです。
ということは、グルコース同様、マルトースも還元性を示すことになりますね。

最後に、グルコースやマルトースのように、還元性を示す糖類を、還元糖といいます。
これに対して、還元性を示さない糖を、非還元糖といいます。