5分でわかる!セルロースの構造

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この動画の要点まとめ
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みなさんは前回、デンプンの構造や性質について学習してきましたね。
デンプンは多糖類に分類される物質ですが、その他の多糖類としてセルロースがあります。
セルロースは植物の細胞壁の主成分であり、綿花から得られる綿などはほぼ純粋なセルロースです。

今回は、セルロースの構造について、見ていきましょう。
セルロースは、多数のβ-グルコースが結合してできた多糖類

セルロースは、図の左のように、線のように見えます。
これだけではよくわからないので、少し拡大してみましょう。

拡大した様子を表したのが、図の上です。
多数の単糖類が、直鎖状に結合した構造が見えてきますね。

このひとつひとつの単糖類を拡大してみると、図の右のようになります。
みなさんは、この物質が何かわかりますか?
実は、これはβ-グルコースが繰り返し結合した構造なのです。

図の右に注目してください。
確かに、右上にあるOHが脱水縮合に使われたようになっていますね。
つまり、セルロースは、多数のβ-グルコースが結合してできた多糖類なのです。
デンプンはα-グルコース、セルロースはβ-グルコース

ここでのポイントは、デンプンとセルロースの違いです。
デンプンはα-グルコースからできていますが、セルロースはβ-グルコースからできています。

デンプンとセルロースは、ともに多くの単糖類が結合した多糖類です。
しかし、基本となる単糖類が異なるため、結合のしかたも変わってきます。
デンプンがらせん状なのに対して、セルロースは直鎖状なのでしたね。
セルロースは、ヨウ素デンプン反応を示さない

ちなみに、この違いは、ヨウ素デンプン反応の結果ともかかわってきます。
デンプンはらせん構造をもつため、内部にヨウ素が入り込み、呈色反応を示しました。
しかし、セルロースは直鎖状構造をもつため、ヨウ素が入り込むすき間がありません。
そのため、セルロースはヨウ素デンプン反応を示さないことになるのです。

セルロースはβ-グルコースからできており、ヨウ素デンプン反応を示さないことを押さえておきましょう。

今回のテーマは、「セルロースの構造」です。