5分でわかる!ナイロン66
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この動画の要点まとめ
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みなさんは、高分子化合物について学習してきました。
これまで登場した糖類やタンパク質などは、天然高分子化合物に分類されましたね。
天然高分子化合物の逆に、人工的に合成されたものを合成高分子化合物といいます。
今回からは、合成高分子化合物について見ていきましょう。
合成繊維とは、合成高分子化合物を繊維状にしたもの
次の写真は、歯ブラシとエアバッグを表しています。
この2つには、どのような共通点があるでしょうか?
みなさんが歯ブラシを使うときには、細いひものようになっている部分で歯を磨きますよね。
また、エアバッグについても、細いひものような部分を編みこむことによって、強靭な布をつくっています。
どちらも細いひも、つまり、繊維状の構造が基礎となっているわけですね。
この繊維は、鎖状の合成高分子化合物をより合わせてつくられています。
このように、合成高分子化合物を繊維状にしたものを、合成繊維といいます。
ナイロン66の材料は、アジピン酸とヘキサメチレンジアミン
合成繊維の一種として、今回紹介するのはナイロン66です。
ナイロン66は、世界で初めて実用化された合成繊維であり、エアバッグなどに使われています。
まずは、ナイロン66の材料を見てみましょう。
図にあるのは、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンという物質です。
どちらも見慣れない物質ですね。
構造式は複雑なので、今の段階ではかけなくても、問題ありません。
まずは、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンという2つの材料があることを押さえましょう。
この2つが反応すると、次のようにナイロン66ができます。
どのような変化が起こったか、わかりますか?
アジピン酸の右下のOHと、ヘキサメチレンジアミンの左下のHに枠がついていますね。
実は、この部分で脱水縮合が起こっているのです。
また、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの手前には、「n」という数がついています。
同様に、ナイロン66の右下にも、「n」という数がついていますね。
つまり、大量のアジピン酸とヘキサメチレンジアミンが反応して、非常に分子量の大きな合成繊維ができているわけです。
「66」は、2つの材料の炭素原子の数
最後に、できあがったナイロン66という名前に注目しましょう。
実は、材料となった物質に、「66」という数字のヒントが隠されています。
炭素原子の数を数えてみましょう。
アジピン酸には、1+4+1=6個の炭素原子があります。
ヘキサメチレンジアミンにも、6個の炭素原子がありますね。
つまり、2つの「6」が合体して、「66」になったというイメージです。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンから、ナイロン66ができるということを押さえましょう。
今回のテーマは、「合成繊維」です。