高校化学
5分でわかる!陽イオン交換樹脂
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この動画の要点まとめ
ポイント
イオン交換樹脂
これでわかる!
ポイントの解説授業
みなさんは、これまで様々な合成樹脂について学習してきましたね。
こういった合成樹脂の中には、物理的・化学的な性質を有効に活用するために工夫されたものがあります。
今回は、こういった機能性高分子化合物のひとつを紹介します。
溶液中のイオンを別のイオンと交換するイオン交換樹脂
図のような構造式で表される合成樹脂を用意しました。
複雑そうな構造式が登場しました。
これを覚えておく必要はないのですが、いくつかのポイントは押さえておきましょう。
まず、 -CH-CH2-CH-CH2- と連なっている部分がありますよね。
これを主鎖といいます。
主鎖にはベンゼン環が結合していて、その先には スルホ基SO3H が結合していますね。
さて、この高分子化合物は、どのような特徴をもつのでしょうか?
実は、溶液中のイオンを別のイオンと交換するはたらきをもつのです。
このようなはたらきをもつ高分子化合物を総称して、イオン交換樹脂といいます。
陽イオン交換樹脂には、酸性の官能基
それでは、イオン交換樹脂のしくみを見ていきましょう。
今、このイオン交換樹脂を、塩化ナトリウム水溶液の中に浸しました。
溶液中には、ナトリウムイオンと塩化物イオンが存在していますね。
イオン交換樹脂のスルホ基も、わかりやすいように電離した状態で表しています。
このとき、どのような変化が起こるでしょうか?
その変化を表したのが、次の図です。
イオン交換樹脂の H+ と溶液中の Na+ が入れ替わっていますね。
つまり、このイオン交換樹脂は、陽イオンを入れ替えるはたらきをしたのです。
このような、イオン交換樹脂を、特に陽イオン交換樹脂といいます。
少し難しい言い方をすると、陽イオン交換樹脂とは、「スチレンとp-ジビニルベンゼンの共重合体に、酸性の官能基を導入したもの」のことを指します。
今回のテーマは、「イオン交換樹脂」です。