5分でわかる!付加重合と合成ゴム
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この動画の要点まとめ
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前回は、天然ゴムの製法や性質について紹介しましたね。
天然ゴムの正体は、イソプレンが重合したポリイソプレンでした。
これに対して、イソプレンとよく似た構造をもつ物質を合成することもできます。
これを、合成ゴムといいます。
今回は、合成ゴムの性質について詳しく見ていきましょう。
合成ゴムは、天然ゴムを人工的に再現したゴム
合成ゴムの単量体を構造式で表すと、次のようになります。
イソプレンとよく似た構造ですね。
このように、炭素原子間の二重結合を2つもつ化合物のことを、ジエン化合物ということもあります。
つまり、合成ゴムとは、「ジエン化合物のうち、イソプレンに似た構造をもつ単量体を付加重合させたもの」ということになります。
「X」の部分に様々な構造を入れて、できあがる合成ゴムを比べてみましょう。
1,3-ブタジエンからブタジエンゴムができる
今回紹介するのは、2つの合成ゴムです。
図のように、1,3-ブタジエンという物質を用意しました。
ちなみに、「1,3」とは二重結合の位置を表しています。
この物質を付加重合させると、右のようなゴムが得られます。
この合成ゴムのことを、ブタジエンゴムといいます。
ブタジエンのBとゴム(ラバー)のRをとって、BRと略される場合もあります。
ただし、二重結合の変化には、注意が必要です。
これまでの付加重合では、1つの二重結合が開いて、両端で別の分子と結合しました。
しかし、今回の場合、2つの二重結合が開いて、両端で別の分子と結合しました。
つまり、価標の数が余ることになります。
そのため、中央の炭素の間で、新たな二重結合ができていますね。
クロロプレンからはクロロプレンゴムができる
もうひとつの合成ゴムを紹介します。
最初に用意するのは、クロロプレンという物質です。
「クロロ」というだけに、塩素を含んでいるのがポイントです。
この物質を付加重合させると、右のようなゴムが得られます。
この合成ゴムのことを、クロロプレンゴムといいます。
クロロプレンゴムを略して、CRと呼びます。
以上をまとめると、次のようになります。
今回のテーマは、「合成ゴム」です。