5分でわかる!液胞の構造と働き
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この動画の要点まとめ
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今回は、同じ細胞小器官のひとつである 液胞 について学習します。ただし、液胞の膜は 一重膜 構造なんです!
「液胞」が発達しているのは植物細胞
上の図は植物細胞の図です。今まで学んだ核・ミトコンドリア・葉緑体以外に右下に大きな構造がありますね。これが 液胞 です。
液胞は 植物細胞では発達 していますが、 動物細胞では発達していません 。ですが動物細胞においても液胞は存在しています。
「細胞液」がつまった一重膜の構造
では、液胞の構造と役割について見ていきましょう。液胞がミトコンドリア・葉緑体と大きく異なる点は 一重の膜に覆われている ということです。
液胞は中に大量の液体が入っているので液胞という名前がついています。液胞の中に入っている液は 細胞液 と言います。液胞の中に入っている液だから液胞液などと間違えないようにしましょう。
「水分の調節」と「養分・老廃物の貯蔵」を担う
では、液胞・細胞液はどのような働きをしているのでしょうか。
1つ目の働きは 水分の調節 です。僕たちのような動物であれば、のどが渇いたら水を飲みに行くことができますが、植物は動くことができません。雨が降った時に水分を蓄え、晴れの日に使うなどの調節機能が必要です。この調節を液胞が行っています。
2つ目の働きは 養分・老廃物の貯蔵 です。植物は光合成によって有機物=養分を作ります。しかし、光合成は光がないと行えないので、養分を蓄えて光合成ができない時に備える必要があります。また、生物は生きるのに必要な化学反応(代謝)を行うと老廃物が必ず発生します。動物であれば尿などの排泄によって老廃物を体外に放出できます。植物は排泄の機能を持ちません。細胞内に老廃物がたまり代謝に悪影響を及ぼすことを防ぐため、植物細胞は液胞に老廃物を貯蔵します。
動物で液胞が発達していないのは、水分の調節・養分・老廃物の貯蔵を液胞で行う必要がないからです。ただし、解毒などを担う細胞では老廃物がたまりやすく、液胞が見られることがあります。ヒトの肝臓などがその例です。
これまで、細胞小器官のミトコンドリア・葉緑体について学びました。 葉緑体・ミトコンドリアはともに二重膜の構造 をしていましたね。