高校生物基礎
5分でわかる!細胞分画法の手順
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この動画の要点まとめ
ポイント
細胞分画法の手順
これでわかる!
ポイントの解説授業
今回は細胞分画法の具体的な手順について見ていきましょう。
細胞をすりつぶすときの注意点
まず、集めたい細胞小器官が含まれている細胞を集めてきます。
次に、集めた細胞を 体液と同じ濃度のスクロース溶液 が入った試験管に入れ、図の①のように専用の棒ですりつぶします。
このすりつぶした液のことを 細胞破砕液 といいます。細胞破砕液をつくるときには、注意してほしい点が3つあります。
1つは、すりつぶす時は必ず 冷却 しながら行うということ。冷却しないと、すりつぶすときの摩擦熱で温度があがり、観察したい細胞小器官のかたちが変わってしまうこともあるからです。さらに、冷却することで細胞内に含まれる様々な分解酵素の働きを抑え、目的の小器官をそのまま観察することができます。
2つ目は、 体液の濃度と同じ濃度のスクロース溶液を使う こと。もし、試験管の中身を水にしてしまうと、水が細胞小器官内に浸透して破裂してしまうからです。
最後に、つぶし過ぎないように。細胞膜は破れても、細胞小器官はつぶさない程度にすりつぶしましょう。実は、このつぶし加減が職人技というか、結構コツのいる作業なんです(笑)。
遠心分離は、重たいものから順番に沈殿
すりつぶしが終わったら、②の図のような 遠心分離 を行います。
すりつぶした細胞が入った試験管を遠心分離器にセットします。すると、試験管を固定したまま中心にある軸が1分間に10,000回転など指定した速度で回転します。試験管の中には回転速度に応じて遠心力が働き、 細胞内で重たいものから順番に沈殿 していきます。
沈殿する順番によって、細胞小器官が分けられ、目的とする小器官を回収することができるのです。
今回は 細胞分画法 と言う実験方法について学びます。
細胞分画法は生物の実験において、 もっとも基礎的な実験 の一つです。
ミトコンドリアなどの細胞小器官を研究している人は、研究対象の構造物を大量に効率良く手に入れる必要があります。そのために使われるのが細胞分画法です。