5分でわかる!酸素を利用しない呼吸
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この動画の要点まとめ
ポイント
例えばヒトが短距離走を行っている間は息を止めて走るので、酸素が供給されません。また、生物の中には空気中の酸素を取り込めないような環境で生きている生物もいます。
今回は 酸素を使わない呼吸 がどのような反応なのかを見ていきます。
微生物による「発酵」
下はチーズの写真です。
チーズを作るときには、 「発酵」 という工程があります。みなさんも聞いたことがある言葉ではないでしょうか?
実はこの 発酵 は、 微生物 が行う 酸素を使わない呼吸 のことをいいます。微生物が、酸素がない環境でも生きていくことができるのは、 発酵 によって有機物を分解してエネルギーを得ているからです。微生物は発酵でATPを獲得しているのですね。
発酵ではATP以外にも、様々な産物が生まれます。ヨーグルトやチーズなどがその代表例ですね。
筋細胞による「解糖」
また、酸素を使わない呼吸のうち、筋細胞が行うものを 解糖 と言います。
上の写真は短距離走の様子です。私たちは、短距離走のときなどで息を止めて走ることがありますよね。そのような酸素不足の状態でも、筋細胞は解糖によって呼吸し、エネルギーを得ているのです。
「アルコール発酵」と「乳酸発酵」
発酵は、微生物で見られる酸素を利用しない呼吸でしたね。発酵には様々な種類がありますが、よく問われるのは アルコール発酵 と 乳酸発酵 の2つです。
アルコール発酵では、 グルコース を分解して、 エタノール と 二酸化炭素 、そして ATP を作ります。
乳酸発酵では、同じように グルコース を使って、 乳酸 と ATP が作られます。
これら発酵によって生み出されるもののうち、微生物にとって大事なのは、エネルギーのやりとりを行う ATP の方ですね。
私たち人間は、エタノールをお酒などを飲む際に利用したり、乳酸をチーズなどに利用したりしていますが、微生物の呼吸における副産物を使っているということになります。
アルコール発酵は 酵母菌 が行い、乳酸発酵は 乳酸菌 が行うこともおさえておきましょう。
筋肉の疲労を起こす「乳酸」
解糖の場合、 グルコース を使って、 乳酸 と ATP が作られます。
よく乳酸が溜まって筋肉が疲れたなどと言いますが、これは解糖によって乳酸が作られるからです。乳酸発酵と解糖は反応自体は同じですが、解糖は筋細胞で行われることに注意しましょう。
前回は酸素を利用する呼吸について学びました。ですが、生物には酸素を利用しないで呼吸するものもあります。