5分でわかる!メセルソンとスタールの実験
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この動画の要点まとめ
ポイント
元のDNAと生成後のDNAを区別
DNAの複製について実験を行ったのは、 メセルソン と スタール という二人の研究者でした。
メセルソンとスタールは、実験においてまず、元のDNAと生成されたあとのDNAを区別することが重要だと考えました。どのDNAが元になったかがわからないと、複製の過程を知ることができませんからね。
メセルソンとスタールがDNAをどのようにして区別したのかというと、スタートに 「重いDNA」 を用いて 質量 を比較することにしたのです。
「重いDNA」とは何か?
「重いDNA」はどのように作ったのでしょうか?
DNAの構成成分には窒素が含まれています。メセルソンとスタールはそこに目をつけました。オリジナルのDNAには、質量の大きい 窒素の同位体 が含まれるよう、次のように実験を工夫しました。
細胞は分裂する際に、周りの培養液を取り込んでDNAの複製を行います。メセルソンとスタールはそこに注目して、予め重いDNAのヌクレオチドを含む培養液に入れて、何度も分裂をさせました。こうすることで、重いDNAで構成された細胞を生成しました。
1回目の細胞分裂の結果は…
「重いDNA」で構成された細胞をオリジナルとし、メセルソンとスタールは実験を開始しました。
軽いDNAのヌクレオチドを含む培養液で、重いDNAを含む細胞を複製させていき、生成された細胞の質量を測ってみたのです。
すると、軽いDNAと重いDNAの中間の重さであるDNAしか検出されなかったのです。
この結果から、図のようにオリジナルの重いDNAが半分に分かれ、周囲の素材で残りの半分のDNAを生成していることがわかりました。DNAの 半保存的複製 が証明されたのです。
2回目の細胞分裂の結果は…
メセルソンとスタールは、 半保存的複製 の証明をより確かなものにするために、はじめの実験で得られた「軽いDNAと重いDNAの中間の重さであるDNA」を用いて、さらに細胞分裂をさせました。
生成された細胞の質量を測ってみると、今度は「軽いDNAと重いDNAの中間の重さであるDNA」と「軽いDNA」が検出されました。
図のように、「軽いDNAと重いDNAの中間の重さであるDNA」が半分に分かれ、周囲の素材である「軽いDNA」を用いてDNAを生成していると考えられますね。
メセルソンとスタールは、このようにして 半保存的複製 を証明したのです。彼らが「何に注目」して、「何を比較」して、「何を証明」したのかをしっかりおさえておきましょう。
DNAからDNAをつくる複製の過程を前回学習しましたね。今回は、誰がどのようにして、DNAの半保存的複製を見つけたのかを説明していきます。