5分でわかる!二次応答
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この動画の要点まとめ
ポイント
抗原への反応を示すグラフ
まずはグラフをみてください。
縦軸 が 抗体の産生量 、 横軸 が 時間 を表しています。つまりグラフは、体内に抗原を入れた時にどのようなタイミングで抗体が産生されて、その抗体はどれほどの量かを示すものになります。
「1回目の抗原注射」では緩やかな反応
1回目に抗原を体内に注射するところからスタートです。体内に侵入した抗原に対しては、樹状細胞が働きましたね。樹状細胞の食作用により抗原提示がなされ、ヘルパーT細胞によってその抗原情報が受け取られます。そして、B細胞が分化・増殖を行い、抗体は作られていきます。
すると、徐々に抗体の量は増えていきます。そして、時間が経ち抗原が排除されていくと、一部を残して 抗体産生細胞 は死んでいくので、グラフのように時間が経っても抗体の量は0にはなりません。これが1回目の抗体が作られるプロセスとなります。
「2回目の抗原注射」では早く強い反応
次に、2回目の抗原注射をしてみましょう。1回目と同様の抗原を体内にいれると、グラフのように急激に抗体の量が増えていきます。
1回目の反応と2回目の反応を比べるときに注目してほしいのは、「抗体産生量のピーク」です。
2回目は1回目に比べて、 早く ピークが訪れていますね。2回目の抗原侵入時には、すでに免疫記憶細胞が体内に存在しているので、「樹状細胞⇒ヘルパーT細胞⇒B細胞…」のようなプロセスが不要になり、反応が早くなるのです。
さらに、抗体産生量も2回目のほうが 多い ですね。免疫記憶細胞が、抗体の2度目の侵入に対して強く反応してどんどん増殖し、抗体をたくさん作るからです。
2度目の風邪にかかりにくい理由
つまり、2回目は 早くて強い抗原抗体反応 が起こっています。2回目は1回目の 免疫記憶細胞 によって、効率よく速やかに抗体が生成されるからです。
この早くて強い2回目の反応のことを、 二次応答 と呼びます。二次応答に対して、1回目の反応のことを 一次応答 といいます。
1度かかった風邪には、2度目はかかりにくいーーということをみなさんは経験的に知っていると思いますが、それは二次応答によるものだったのです。
抗原が初めて体内に入った時に抗体ができるプロセスは前回の授業で説明しましたね。今回は、体液性免疫で免疫記憶細胞が産生された後に、再び同じ抗原が体内に入った時の反応のプロセスについて説明していきます。つまり、 2回目以降の抗原侵入 への免疫反応です。