高校生物基礎
5分でわかる!AIDS発症のメカニズム
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この動画の要点まとめ
ポイント
AIDS発症のメカニズム
これでわかる!
ポイントの解説授業
HIVはヘルパーT細胞に感染
図は、体内に侵入してきた抗原に対して、樹状細胞からの抗原提示を ヘルパーT細胞 が受け取る様子を示しています。
自然免疫で対応できない厄介な抗原に対しては、獲得免疫が働きましたね。その際、抗原を食作用した樹状細胞による抗原提示を唯一受け取れるのが ヘルパーT細胞 でした。
HIVが狙うのは、実は獲得免疫の要となっているこの ヘルパーT細胞 なのです。HIVはヘルパーT細胞に感染して、ウイルスのDNAを打ち込みます。
体液性免疫も細胞性免疫もストップ
ヘルパーT細胞にHIVが感染すると、ヘルパーT細胞は機能しなくなり、減っていきます。ヘルパーT細胞は一度減ると補充することができません。なぜなら、ヘルパーT細胞が成熟する胸腺という臓器は、成人になるまでに退化してしまうからです。
ヘルパーT細胞からの抗原提示を受けていたB細胞やキラーT細胞に情報が伝わらなくなり、 体液性免疫 も 細胞性免疫 も ストップ してしまうのです。
自然免疫は働き続ける
また注意してほしいのは、獲得免疫(体液性免疫と細胞性免疫)はストップしても、 自然免疫は働き続ける という点です。そのため、自然免疫が十分に働いている間は、HIVにかかっても命を落とすことはありません。しかし、加齢などにより自然免疫の力が落ちてくると、抗原を除去することができなくなってしまうのです。
AIDS発症のメカニズムを詳しく説明していきます。