5分でわかる!一次遷移
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この動画の要点まとめ
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「一次遷移」と「二次遷移」
遷移には、 一次遷移 と 二次遷移 があります。この2つの遷移は、どちらも植物が地表から無くなった所から遷移が始まるのですが、植物がなくなった原因が異なります。
一次遷移 は 溶岩などが流れ込んできた場合に起こる遷移 です。溶岩は非常に高温ですから、地表上の植物を分解するのはもちろん、土の中の有機物や微生物も分解されてしまった状態になります。つまり 一次遷移 とは 土壌がまったくない状態からの遷移 ということです。
一方、 二次遷移 は 山火事などで植物が無くなった場合に起こる遷移 です。植物はなくなりますが、土壌は残っている点で一次遷移とは異なります。
また遷移の分類にはもう一つ大きな分類があり、 地上で始まる遷移 のことを 乾性遷移 と言い、 水中で始まる遷移 のことを 湿性遷移 と言います。
裸地では、土壌の形成からスタート
今回は陸上で起こる一次遷移について詳しく見ていきましょう。図は、低木が現れるまでの一次遷移の過程を三段階で示した図です。
一番左側は、 裸地 を示しています。裸地とは植物がない土地のことです。今回は一次遷移を扱っているので土壌もないということになります。
植物は、土壌がなければ根を張って体を支えることができません。また、土壌には水分を保持する役割もあるので、土壌のない土地では多くの植物が生活することができません。
つまり土壌がない裸地では、根をはる必要がなく、自分で水分を保持することのできる、限られた植物のみが生育できます。
地衣類 や コケ植物 がこの条件を満たす植物です。地衣類とはカビとシアノバクテリアが共生したもので、菌糸を伸ばすことで水分を保持することができる植物です。
地衣類やコケ植物が溶岩を少しづつ砕いたり、死んだ植物が有機物として蓄積されることで、少しづつ土壌が形成されていきます。
土壌の厚さによって遷移が進んでいく
土壌が根をはるのに十分な厚さまで達すると、ススキやチガヤなど 草本(そうほん) と呼ばれる植物が生育するようになります。図では、左から2番目、相観による分類においては草原の段階に達したということになります。
草本はコケ類などと比べて活発に光合成を行うので、有機物がより蓄えられ、土壌がさらに深く豊かになっていきます。
すると、クロマツやアカマツといった 低木・木本(もくほん) が生育できるようになります。大きな植物体を支えるのに必要な根をはることができるようになったからですね。
裸地から草本、木本への遷移は 土壌の厚さ がどこまで厚くなったかという事で進んでいくということになります。
長い年月をかけて、植生が移り変わることを遷移といいましたね。