5分でわかる!森林形成
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この動画の要点まとめ
ポイント
ただし、一次遷移は低木が生育できるようになったところで終わりではありません。さらに土壌が厚くなることで、 高木 が生育するようになります。そして、高木が生えるようになってからも遷移が起こるのです。今回は高木の遷移について見ていきましょう。
初期は、陽樹が優占種になる
木が生育するようになってからさらに土壌が厚くなると、高木が生育できるようになります。図は高木の遷移において現れる植生を示した図です。
高木には大きく分けて 陽樹 と 陰樹 の2種類があります。
陽樹には強い光のもとでは、より効率良く光合成を行い、素早く成長するという性質があります。周囲に低木しかない初期の段階では太陽光が植物に良く届きます。なので、土壌に陽樹と陰樹が生育するようになると、強い光でより素早く成長できる陽樹の方が最初に優占種となり、最初は 陽樹林 ができます。
この時、陰樹が全く育たなくなることはありません。陰樹は弱い光でも生育し、成長できるという性質があります。小さいながらも陽樹林の中に陰樹は生育しています。
陰樹の成長により混交林になる
そして、時間が進むと陽樹の大きさに陰樹が追いつき、陽樹と陰樹がどちらも同じくらい生育している 混交林 へと遷移が進みます。
混交林の段階まで遷移が進むと太陽光を多く受けることで成長していた陽樹は成長が止まってしまいます。 陰樹が同じ高さまで成長することで 受けることができる太陽光が減ってしまう からです。また、陽樹は光が少ない環境では生育することができないという性質があります。成長が止まった陽樹を陰樹が高さで追い越して行き、受けることのできる光が少なくなった陽樹は次第に枯れていってしまいます。
安定期には、陰樹林になる
遷移がさらに進むと最終的には陰樹のみが生育する 陰樹林 が形成されます。
陰樹林が形成されると、それ以上遷移が起こることはありませんから、陰樹林のことを 極相林 とも言います。高木の遷移においては、 光 が遷移を決めているということを意識して、しっかり流れを理解しましょう。
前回の授業では、一次遷移のうち低木が生育できるようになるまでの過程を学びました。土壌の厚さが重要でしたね。