空いたギャップの大きさによって元に戻る過程は異なります。ギャップの大きさごとに見てきましょう。図は左が 小さなギャップ が空いた時の図、右が 大きなギャップ が空いた図です。

まずは小さなギャップが空いた場合です。小さなギャップが空いた場合は周りに大きな陰樹がそびえ立っているので、種子が育つ地表付近に強い太陽光が届くことはありません。小さなギャップには弱い光しか届かないということになります。

なので弱い光でも生育できる 陰樹 が小さなギャップを埋めます。

大きなギャップの場合、地表付近に強い光が届くので、強い光で素早く成長できる 陽樹 が最初は育ちます。

しかし、大きなギャップに陰樹が育たないわけではありません。陰樹は陽樹の下の弱光下でも成長できますよね。陰樹は次第にギャップを埋めた陽樹の大きさに到達し、陽樹と置き換わります。なので最終的には大きなギャップでも 陰樹 がギャップを埋めることになります。

ギャップの大小にかかわらずギャップが埋められることを ギャップ更新 と言います。

極相林には、常にさまざまな大きさのギャップが存在しています。極相林は、すべて陰樹のみで構成されているのではなく、陽樹が集まっている部分や、陽樹と陰樹が混ざった部分がモザイク状に存在します。これによって、極相林の樹種は豊富になり、多様な生物が生息できるようになります。ギャップができることは極相林にとって悪いことではなく、むしろ良い側面もあるのですね。