５章では「生態系」について学習していきます。
みなさんは 生態系 という言葉を耳にしたことがありますよね。なんとなく「守るべきもの」というイメージがあるのではないでしょうか？

まずは、生態系の構成について確認していきましょう。次の図を見てください。

生態系は、 生物 と 非生物的環境 から構成される１つのまとまりを言います。生態系とは生物だけの集団を指す言葉ではないということですね。非生物的環境は、 土壌・大気・光・温度・水 などがあげられます。

では非生物的環境と生物からなる生態系は、なぜ保護されるべきものなのでしょうか。

われわれヒトは、生態系から様々な恩恵を受けています。例えば、森林の生態系を考えてみましょう。山で雨が降ると、降った雨はすべてが川に流れていくことはありません。森林に生息している植物の根や植物体、あるいは森林に存在する土壌に水分が吸収され、徐々に川に水が流れていきます。森林が水を一時的に保持してくれるおかげで、頻繁に洪水が起こることを防いでくれているのです。いわば天然のダムですね。

生態系を守ることはそこに生息する生物のみならず、ヒトを含む他の生物にも利益があるのです。