高校生物基礎
5分でわかる!窒素(N)の循環
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この動画の要点まとめ
ポイント
窒素(N)の循環
これでわかる!
ポイントの解説授業
前半戦は「窒素固定」と「硝化」
今回は、窒素循環の後半戦です。窒素固定、硝化を経たあと、植物によって吸収された硝酸イオンがどのようにして生物を構成する物質に変換されていくのか、そして、どのように循環して大気中に戻っていくのかを見ていきましょう。
3段階の反応を経て、有機窒素化合物に
硝化によって生じたNO3-は生産者に取り込まれます。生産者の内部では、3段階の反応を経て 有機窒素化合物 が合成されます。次の図をみてください。
硝酸イオン(NO3-)はまず、亜硝酸イオン(NO2-)へと変わっていますね。この第1段階の反応では 硝酸還元酵素 が働いています。
次に、亜硝酸イオン(NO2-)は、アンモニウムイオン(NH4+)へと変化します。この第2段階の反応では 亜硝酸還元酵素 が働きます。
そして、アンモニウムイオンが他の元素や物質と反応することで、アミノ酸やタンパク質などの 有機窒素化合物 が合成されるのです。
脱窒によって大気中に戻る
生産者でつくられたアミノ酸やタンパク質などの有機窒素化合物は、生産者が捕食されることで消費者へ移動したり、死骸や排泄物として分解者へ移動したりします。
しかし、窒素(N)の循環はここで終わりではありませんね。生物から非生物的環境へと窒素(N)が戻るプロセスがあるはずです。
生産者・分解者・消費者などの生物が死ぬと、アンモニウム塩や硝酸塩などの 窒素化合物 ができます。窒素化合物は、土壌に含まれる 脱窒素細菌 によって分解され、窒素(N2)として大気中へと戻っていきます。この過程のことを 脱窒 といいます。
有機窒素化合物が合成されるまでに働く2つの酵素の名称をしっかり覚えましょう。また脱窒が、脱窒素細菌と呼ばれる特別な生物によって行われることをおさえておいてください。
大気中の窒素(N2)がアンモニウムイオン(NH4+)へと変換される「窒素固定」、さらにアンモニウムイオン(NH4+)が硝酸イオン(NO3-)に変わる「硝化」について学習してきましたね。