高校生物基礎
5分でわかる!日本に入ってきた外来生物
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この動画の要点まとめ
ポイント
日本に入ってきた外来生物
これでわかる!
ポイントの解説授業
意図せず入ってきてしまった外来生物
日本にはいってきた侵略的外来生物は、前回の授業で紹介したオオクチバスやマングースだけではありません。人為的に持ち込んだものではなく、意図せずに入ってきてしまった生物の例を紹介しましょう。
バラスト水を経由した生物の侵入
外来種は、貨物船によって運ばれてしまうことがあります。図は、貨物船を正面から見た時の断面図を示しています。
貨物船は、船に荷物が少ない時は、船の重心が上に移動してバランスが悪くなります。したがって、荷物を積んでいないときは、隙間に海水を入れて船の重心を低くし、バランスを保つようにします。
この時、隙間にいれる水のことを バラスト水 といいます。日本から積み荷を海外に輸出したあとの貨物船を考えてみてください。海外から日本に向けて出航する船は積み荷が少ないので、バラスト水を注入して日本にやってきます。この時バラスト水は出港する港で注入してきます。
そして日本で積み荷を積むときにバラスト水を排水します。このバラスト水に生物が含まれていると、意図せず外来生物が持ち込まれるということになります。
ムラサキガイ、チチュウカイミドリガニなど
バラスト水で日本に持ち込まれた生物の例に、 ムラサキガイ や チチュウカイミドリガニ などがあります。
バラスト水を経由した生物の侵入を防ぐ方法はないのでしょうか?
2つの方法を覚えておきましょう。1つ目は、 バラスト水を沖合で入れ替える という方法です。港には様々な生物が生息しているので影響が大きくなりますが、沖合では生物の数が非常に少ないので、影響をおさえることができます。
またもうひとつの方法は、 バラスト水から生物を除去する というものです。網などで物理的に取り除いたり、UV(紫外線)などを当てて死滅させたりします。
人間の活動を原因として、別の生態系から入ってきた生物を外来生物と呼びました。このうち、特に生態系に大きな影響を及ぼすものを侵略的外来生物と言いましたね。