5分でわかる!小胞体とゴルジ体

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この動画の要点まとめ
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リボソーム⇒小胞体⇒ゴルジ体

下の図の左端にある、雪だるまのような形をしているのは、前回学んだリボソームですね。
リボソームでタンパク質が合成される過程を、翻訳といいましたね。

このリボソームのすぐ下には、管のようなものがあるのがわかりますか?
これが、小胞体です。
実際の小胞体は、細胞内で核の周りに存在しています。


さらに、小胞体の先にあるものがゴルジ体です。
ゴルジ体は、数層に重なる扁平な袋状構造と、その周りにある球状の小胞からなります。
この小胞のことを、ゴルジ小胞といいます。


以上のように、タンパク質は、リボソーム⇒小胞体⇒ゴルジ体と移動していくわけです。

ちなみに、小胞体とゴルジ体は、ともに膜構造体で、一重膜構造をしています。
二重膜構造をしている葉緑体やミトコンドリアと膜の構造が異なるので注意しましょう。
小胞体はタンパク質を輸送する

まず、小胞体の働きについて詳しく見ていきましょう。


小胞体に接しているリボソームは、mRNAのもつ塩基配列に基づいてタンパク質を合成します。
リボソームで合成されたタンパク質は、まず小胞体の中に取り込まれます。
すると、小胞体に取り込まれたタンパク質は、図の矢印の方向へ、小胞体の中を通って移動します。
この取り込まれたタンパク質は、最終的に小胞体の先にあるゴルジ体へと移動します。

小胞体は、リボソームで合成されたタンパク質を取り込み、ゴルジ体へと輸送する働きをするのですね。
ゴルジ体はタンパク質を濃縮する

輸送されたタンパク質がゴルジ体に入ると、何が起こるのでしょうか?


ゴルジ体に輸送されたタンパク質は、図の矢印の方向へゴルジ体の中を移動していきます。
ゴルジ体には、タンパク質を濃縮する働きがあります。
そのため、ゴルジ体の中を移動する過程で、タンパク質の濃度はだんだん濃くなっていきます。
ゴルジ小胞は細胞膜と融合してタンパク質を細胞外に分泌する

濃縮されて十分に濃くなったタンパク質は、ゴルジ体を移動した後、ゴルジ小胞へと収められます。


図を見てください。
ゴルジ小胞とは小さなカプセルのようなものです。
しかし、ゴルジ小胞の中に入っただけでは、タンパク質は細胞外へ分泌されません。

では、どのようにしてタンパク質は細胞外へ分泌されるのでしょうか?
まず、タンパク質を取り込んだゴルジ小胞が少しずつ移動し、細胞膜に近づきます。
ゴルジ小胞と細胞膜は、どちらもリン脂質で構成されているので、ゴルジ小胞は細胞膜と融合します。
細胞膜が融合されることにより、ゴルジ小胞の中にある濃縮されたタンパク質は細胞外へ分泌されます。

なお、細胞内で作られたものが細胞の外に出ることは、分泌といいます。
特に、今回の場合のように、分泌されるものが小胞に包まれて細胞外に放出されることを、 エキソサイトーシス(開口分泌) といいます。


小胞体とゴルジ体は、リボソームで作られたタンパク質を細胞外に出すために必要なものです。
それぞれの働きもしっかり整理しておきましょう。

タンパク質が細胞の外へ分泌されるとき、小胞体とゴルジ体が深くかかわっています。
そのメカニズムを見ていきましょう。