5分でわかる!タンパク質の行き先
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この動画の要点まとめ
ポイント
今回は、シグナル配列が認識されて輸送されるまでの流れを見ていきましょう。
SRPがタンパク質を輸送先まで運ぶ
実は、タンパク質を決められた移動先に運ぶ粒子が存在するのです。
それが、SRP(signal recognition particle)です。
日本語では、シグナル認識粒子といいます。
SRPは、タンパク質のシグナル配列を認識して結合し、タンパク質を決められた移動先へと運びます。
SRPは翻訳を一時的に中断して輸送する
それでは、タンパク質が決められた移動先へ運ばれる流れを見ていきましょう。
例として、リボソームで作られたタンパク質が小胞体へ運ばれる場合を考えます。
次の図を見てください。
図の中には、雪だるまのような形をしたものがありますね。
これがリボソームです。
リボソームから出ている鎖状の構造物がタンパク質です。
さらに、タンパク質の先端にくっついているのがSRPです。
まず、SRPは、翻訳されている途中のタンパク質のシグナル配列と結合します。
すると、リボソームによるタンパク質の合成が一時的に中断されます。
続いて、SRPは、翻訳が一時的に中断されたタンパク質を、輸送先に運んでいくことになります。
SRPが受容体に結合する
タンパク質の輸送先である小胞体やミトコンドリアなどには、SRPが結合できる受容体があります。
図では、SRPが小胞体の受容体に結合していますね。
シグナル配列が取り込まれて、SRPがはずれる
SRPが輸送先の受容体に結合すると、タンパク質はシグナル配列を先頭にして、徐々に膜構造の中に入り込んでいきます。
シグナル配列が膜構造の中に完全に取り込まれると、SRPはシグナル配列から外れます。
④ 翻訳が再開して、タンパク質が完全に取り込まれる
SRPがシグナル配列から外れると、中断されていた翻訳が再開され、合成されたタンパク質が完全に膜構造の中へと取り込まれます。
SRPと結合できる受容体は決まっている
タンパク質が輸送される場合、SRPが小胞体に輸送されるタンパク質のシグナル配列を認識し、小胞体の受容体に結合しました。
このときのリボソームと受容体の関係には注意が必要です。
ただし、SRPはどんな受容体とも結合できるわけではありません。
このSRPには種類があり、結合できる受容体は決まっているのです。
細胞内のリボソームで合成されたタンパク質は、細胞内外の様々な場所に輸送されています。
その輸送先は、タンパク質のもつシグナル配列によって決定されているのでしたね。