5分でわかる!細胞骨格の役割Ⅰ
- ポイント
- ポイント
- ポイント
- 練習
この動画の要点まとめ
ポイント
今回は、1つ目の細胞骨格について、構造と役割を見ていきましょう。
チューブリンでできた微小管
1つ目の細胞骨格は、微小管というものです。
微小管は、チューブリンというタンパク質で構成されています。
次の図を見てください。
小さな粒が無数に結合して、管状の形を作っていることがわかりますね。
このひとつひとつの粒が、チューブリンなのです。
微小管の太さは、約25nmです。
nm(ナノメートル)とは、非常に小さな単位ですね。
しかし、3種類の細胞骨格の中では、微小管が最も太いのです。
チューブリンの役割 膜構造体を移動させる
続いて、微小管の役割について考えていきましょう。
1つ目の役割は、細胞内構造の輸送です。
細胞の中には、葉緑体やミトコンドリアといった膜構造体が見られますよね。
これらの膜構造体は、微小管をレールのように利用して移動することができるのです。
例えば、葉緑体の場合、微小管を伝って、光を受けやすい場所に移動することが可能です。
このように、微小管は、膜構造体を移動させる役割をもちます。
チューブリンの役割 細胞の運動に必要
微小管の2つ目の役割は、細胞の運動です。
みなさんは、鞭毛(べん毛)や繊毛(せん毛)というつくりを聞いたことはありますか?
実は、鞭毛や繊毛は微小管でできているのです。
鞭毛をもつ細胞として、精子に注目してましょう。
図の右側を見ると、細長く伸びているつくりが確認できますね。
これが鞭毛です。
鞭毛の内部には骨のように微小管が入っているため、精子は尾部を動かして泳ぐことができるのです。
また、繊毛をもつ生物の例としては、ゾウリムシがあります。
ゾウリムシの体の周りには無数の繊毛が生えていますが、その一本一本の中にもこの微小管が入っています。
このように、微小管は、鞭毛や繊毛を構成し、細胞の運動を可能としているのです。
チューブリンの役割 細胞を分裂させる
微小管の3つ目の役割は、細胞の分裂です。
細胞が分裂するときには、染色体が分裂して、新しくできる細胞に分離されていきます。
このとき、微小管は、紡錘糸として、染色体を2つに分ける働きをしています。
微小管による染色体の分離については、中心体や細胞分裂の授業で詳しく紹介しますね。
微小管には3つの役割があることを覚えておきましょう。
細胞骨格とは、細胞内に広がる繊維状のタンパク質でした。
細胞骨格は、大きく3つの種類に分けられます。