高校生物
5分でわかる!溶質の受動輸送
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この動画の要点まとめ
ポイント
溶質の受動輸送
これでわかる!
ポイントの解説授業
生物の体内で水に溶けている物質(溶質)がどのように輸送されるのか、見ていきましょう。
イオンチャネルは特定のイオンを輸送する
下の図は、細胞膜の断面の模式図です。
リン脂質二重層を形成した細胞膜に、穴を開けているような色の濃い構造体がありますね。
これはイオンチャネルといい、受動輸送を行う膜タンパク質です。
そして、イオンチャネルには様々な種類があり、それぞれ透過させられるイオンが決まっていることが特徴です。
例として、ナトリウムイオンは、ナトリウムイオンチャネルという特定のチャネルでのみ輸送されます。
このような性質を、選択的透過性といいましたね。
キャリアは大きな物質を輸送する
もうひとつの膜タンパク質を見ていきましょう。
下の図も、細胞膜の断面の模式図です。
図の中央に、V字型で色の濃い構造体がありますね。
これは受動輸送を行う膜タンパク質で、キャリアと呼ばれます。
キャリアも、イオンチャネルと同様に受動輸送を行う膜タンパク質なので、溶質を高濃度のほうから低濃度のほうへ輸送します。
下の図は、平行四辺形をした物質の数によって、細胞膜の上部が高濃度、下部が低濃度の状態になっていることを表しています。
最後に、キャリアの受動輸送のしくみを考えてみましょう。
図の場合、キャリアは細胞膜の上部から溶質を取り込んだ後、開いていた口を閉じます。
次にキャリアの下部を開くことによって、取り込んだ物質を細胞膜の下部へと輸送するのです。
グルコースやアミノ酸などの大きな分子は、イオンチャネルの小さな穴を通ることができません。
そのため、大きな分子を輸送する膜タンパク質として、キャリアが存在しているのです。
みなさんは、中学校の理科で水溶液について学習しましたね。
代表的な水溶液には、食塩が水に溶けた食塩水があります。
このとき、食塩を溶質、水を溶媒と呼びましたね。