高校生物
5分でわかる!溶媒(水)の受動輸送
- ポイント
- ポイント
- ポイント
- 練習
この動画の要点まとめ
ポイント
溶媒(水)の受動輸送
これでわかる!
ポイントの解説授業
水分子は膜タンパク質によって細胞膜を透過する
下の図は、細胞の表面の断面図です。
図の中央付近に細胞膜があり、下側のやや濃い色で示された部分が、細胞の内側です。
図の上部に見られる球状の物質が、水分子です。
水分子の多くは、細胞膜を透過できていないことがわかります。
リン脂質は疎水性の脂肪酸を含むため、水分子は通過することができないのです。
しかし、一部の水分子は通過することができています。
これには、ある膜タンパク質が関係しています。
この部分に注目してみましょう。
水分子を通過させるのはアクアポリン
これは細胞膜の断面を拡大した図です。
リン脂質が二重層の構造をした細胞膜が、横に広がっています。
その中に埋め込まれるようにして、いびつな形をした構造体が描かれていますね。
これは、アクアポリンという膜タンパク質です。
このアクアポリンが、水分子を輸送する働きをしているのです。
通常、細胞はアクアポリンをもっているので、外から水を取り込んだり、余分な水分を出したりすることができます。
カエルの卵にはアクアポリンが存在しない
少し発展的な内容ですが、カエルの卵にはアクアポリンがありません。
なぜでしょうか?
カエルは、ほとんどの種類が川の中に卵を産みます。
その卵の中には、様々な溶質が含まれています。
溶液には、濃度の異なる溶液が隣り合うと、混ざって均一の濃度になろうとする性質があります。
もし、カエルの卵がアクアポリンをもっていると、どうなると思いますか?
カエルの卵の中身は、周りの川の水に比べて溶質の濃度が高い状態です。
アクアポリンを通してたくさんの水分子がカエルの卵の中に入ってきてしまいますね。
すると、卵は膨らみ続け、最終的には破裂してしまうのです。
そのようなことが起こらないように、カエルの卵にはアクアポリンがないわけです。
溶媒は、溶液において溶質を溶かしているものです。
生体内における溶媒、水の受動輸送について見ていきましょう。