高校生物
5分でわかる!タンパク質の立体構造(2)
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この動画の要点まとめ
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タンパク質の立体構造(2)
これでわかる!
ポイントの解説授業
三次構造にはシステインが深く関わっている
多数のアミノ酸がつながったものを、ポリペプチドといいましたね。
下の図のポリペプチドに注目すると、中央あたりで折れ曲がり、全体がくの字型になっているのが分かりますか?
このような構造を、タンパク質の三次構造といいます。
なぜ、このような構造になるのでしょうか?
それは、あるアミノ酸同士が結合しているからなのです。
私たちヒトのタンパク質は、20種類のアミノ酸で構成されています。
その中に含まれるシステインというアミノ酸が、三次構造の形成に深くかかわっているのです。
システインはS(硫黄)を含んだ構造
これはシステインの構造式です。
アミノ酸の構造式の中にSで表される硫黄原子が含まれているのが特徴です。
三次構造において、システインのもつS同士が強く結合することで、αヘリックスやβシートのような二次構造が、大きく折れ曲がり複雑な構造になっていくのです。
この結合を、S-S結合(ジスルフィド結合) といいます。
三次構造が分子間力で塊になるのが「四次構造」
三次構造が集まることで、タンパク質はさらに複雑な構造をとります。
上の図のような、複数の三次構造がからみあって塊となる構造を、タンパク質の四次構造といいます。
どうして四次構造は、このような複雑な構造をとるのでしょうか?
実は、三次構造の間には分子間力のような弱い結合が生じています。
三次構造が分子間力などで結合して塊となるとき、その全体の立体構造を四次構造といいます。
例えば、ヘモグロビンも四次構造のタンパク質です。
ヘモグロビンは、赤血球の中で酸素と結合し、酸素を体中に運ぶ役割をしています。
タンパク質は、一次構造から四次構造へとどんどん大きく複雑になり、タンパク質としての働きをもつようになっていくのです。
アミノ酸は、ペプチド結合により連結し、立体構造をとることで、タンパク質としての働きをもつようになります。
タンパク質が、二次構造からさらに複雑になっていく様子を見ていきましょう。