5分でわかる!抗体
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この動画の要点まとめ
ポイント
抗体は可変部で抗原と結合する
抗体の模式図を見てください。
抗体は、アルファベットのYのような形をしています。
上の部分を可変部、下の部分を定常部といいました。
このうち、抗体が結合するのが、可変部でしたね。
体内には、様々な抗原が侵入してきます。
抗体の可変部が常に同じ構造だと、どのようなことが起こると思いますか?
ある特定の抗原には結合できるけれど、別の抗原には結合できないということが起きてしまうのです。
これでは、抗原を排除するのに効率が良くないですよね。
そのため、抗体の可変部は様々な抗原に対応できるように、構造が変えられるようになっているのです。
可変部の各領域は複数の遺伝子からなる
抗体の可変部を詳しく見てみましょう。
抗体は、H鎖とL鎖が2本ずつ組み合わさって構成されていましたね。
抗体の可変部もH鎖とL鎖からなっています。
抗体の可変部は、一様に同じ構造をしているのではありません。
可変部のH鎖は、領域V、領域D、領域Jの3つの領域に分かれています。
また、可変部のL鎖は、領域Vと領域Jの2つの領域に分かれています。
可変部は、この区切られた領域ごとに異なる遺伝子をもっています。
また、各領域がもっている遺伝子は、1種類だけではありません。
例えば、H鎖の領域Vの場合、およそ150種類の遺伝子をもっています。
遺伝子再編成によって多様な抗体ができる
抗原が体内に侵入した場合、まず樹状細胞が抗原の情報を提示します。
次に、抗原の情報を受け取ったヘルパーT細胞が、その情報をB細胞へ伝えます。
B細胞は、ヘルパーT細胞から送られた情報をもとに抗体を産生する細胞です。
B細胞は、抗体を産生する過程で、可変部の各領域の遺伝子を、抗原に対抗できるように選別しているのです。
このように、抗体の可変部の各領域の構造を決める複数の遺伝子から、1つを選別することを、遺伝子再編成といいます。
この遺伝子再編成によって、多様な抗体ができるのです。
抗体の可変部について、詳しく見ていきましょう。