5分でわかる!植物の組織系
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この動画の要点まとめ
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下の図は、植物の葉の断面図です。図の上部が葉の表、下部が葉の裏を表しています。
この図を見ながら、植物の3つの組織系について理解していきましょう。
葉の表面に位置する表皮組織系
1つ目の組織系は、表皮組織系です。
図で①と示されている部分が、表皮組織系です。
表皮組織系は、葉の表面に位置している組織系です。
表皮細胞という細胞で構成されています。
基本的に、表皮組織系は葉緑体をほとんどもっていないことが特徴です。
図の下部を見ると、葉の裏に穴が開いた部分がありますね。
これは気孔です。
気孔の唇の形を形成しているのは、両側にある孔辺細胞です。
実は、気孔も表皮組織系に含まれるのです。
図に描かれた孔辺細胞を見てください。
細胞の中に、縦長の粒のような構造物が多数見られますね。
これは葉緑体です。
孔辺細胞は表皮組織系に含まれますが、例外的に葉緑体を多くもっているわけです。
これは試験などでもよく問われるので、しっかりおさえておきましょう。
物質の通路で構成される維管束組織系
2つ目の組織系は、維管束組織系です。
図で②と示されている部分が、維管束組織系です。
植物の葉を上から眺めると、葉脈とよばれる筋のような部分がありましたね。
あの葉脈の部分が、維管束組織系にあたります。
維管束組織系は、物質の輸送に使われる通路から構成されています。
そのうち、根から吸収した水分が通る通路を、木部といいます。
また、光合成で合成された有機物が通る通路を、師部といいます。
その他すべてをまとめて基本組織系
3つ目は、基本組織系です。
図では、③で表されています。
実は、表皮組織系と維管束組織系を除いたすべての組織系をまとめて基本組織系というのです。
基本組織系の例として、さく状組織と海綿状組織を見てみましょう。
さく状組織は葉の表側、海綿状組織は葉の裏側にある組織です。
どちらも光合成にかかわる組織で、多数の葉緑体をもっています。
葉の断面図を見たとき、この2つを区別するにはどうしたらよいでしょうか?
さく状組織を形成する細胞は隙間なく並んでいますね。
基本的に、植物は葉の表から光を吸収するので、さく状組織は葉に当たった光を漏れなく吸収できるように、葉の表側で密な構造をしているのです。
それに対して、海綿状組織は、不規則な形の細胞の集まりで、すきまがたくさんあります。
細胞の密集具合から、どちらがさく状組織で、葉の表側になるか判断できるようにしましょう。
植物の組織系について、実際に見ていきましょう。