5分でわかる!民衆の政治参加の流れ
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この動画の要点まとめ
ポイント
エトルリア人を追い出し、貴族政治が始まった!
ポイント1で学んだように、ラテン人が建国したローマは 一時エトルリア人に支配されました。
その後、有力者たちがエトルリア人を追い出し、ローマの政治権力を最初に握ります。
彼らは 貴族 と呼ばれました。
貴族が行った政治を 貴族政治 といいます。
貴族政治の特徴を確認しましょう。
こちらを見てください。
当時のローマの最高機関を 元老院 といいます。
現在の日本でいえば 国会 にあたる機関です。
元老院は 任期終身のパトリキ(貴族) で構成されていました。
パトリキたちを取り仕切る司会者を コンスル (執政官・統領)といいます。
コンスルは最高政務官でしたが、 彼らも元老院の一員でした。
ちなみにコンスルには基本的に2人任命されました。
平時には、元老院での話し合いによって、政治が行われていたのですが、
一刻を争うような非常事態 には、のんびり話し合っているわけにもいきません。
そこで設置されたのが 独裁官 ( ディクタトル )です。
独裁官は 非常時にのみ設置される臨時職 で、緊急時に混乱を収束させる役割を担いました。
だいたいの場合、2人いるコンスルのうちの1人が独裁官にあたっていたのです。
また、ローマには、話し合いによって法律を制定する 民会 という機関がありました。
民会は 貴族から平民まで、すべての男性市民で構成されていました。
しかし 元老院の許可がないと法律は成立しなかった ので、結局のところ 貴族中心の元老院がすべてのものごとを決定していた のです。
プレブスの不満/参政権を要求!
貴族が政治を独占する。
そんな状況に対して不満を持っていたのが プレブス ( 平民 )です。
中小土地所有農民や商工業者 のことをプレブスといいます。
ここで注目してほしいことがあります。
なんと、プレブスたちは 重装歩兵 部隊を形成していたのです!
ギリシア世界で勉強した アテネ と同じですね。
彼らは戦争になれば 命をかけてローマを守っていたのです。
それなのに、貴族が政治を独占している...
プレブスは次第に 参政権を要求するようになりました。
平民の権利を守る「護民官」が設置される!
プレブスたちの声を受けて、 平民の権利を守る機関が形成されます。
それが 護民官 と 平民会 です。
こちらを見てください。
護民官 は 平民を保護する役職 で、2名で構成されました。
平民会 は 平民たちが話し合う場 として設置され、平民のみで構成されました。
護民官は平民会でまとまった意見を貴族に伝え、平民に不利な内容が決まろうとすれば 拒否権 を発動して拒むことができました。
このように、次第に平民の権利が認められていったのです。
テスト頻出の3つの法律!平民の政治参加が加速する
では、ここからは大事な 3つの法律 について確認します。
こちらを見てください。
1つ目は 十二表法 です。
十二表法は 旧来の慣習法を成文化した 法律です。
成文化とは 文章にすること 。
文章にすることで、ルールの明確化が行われました。
アテネで勉強した ドラコンの改革 と同じですね。
2つ目は リキニウス・セクスティウス法 です。
コンスルの1名を必ず平民から選ぶこと 、そして 大土地所有を制限すること を定めた法律です。
この法律には 平民が土地を奪われることを防ぐ意図がありました。
また、「コンスルの1名を平民から選ぶこと」にもとても重要な意味があります。
コンスルは 元老院の司会役 だという話をしましたが、実はもう1つ重要なポイントがあります。
緊急時には、コンスルはディクタトル=独裁官になれるのです!
独裁官になれば 平民のための法律を作ることができます。
3つ目の法律は、実際に 平民からディクタトルになった人がつくった法律 です。
ホルテンシウス法 といいます。
平民会での決議は元老院の承認がなくとも国法になる ことを定めた法律です。
ホルテンシウス法によって、平民は貴族とほぼ同じ権利を獲得したことになります。
民衆の政治参加の流れ、政治体制や法律の名前をしっかり覚えておきましょう。
ポイントの2つ目は「民衆の政治参加の流れ」です。
まずは当時のローマの政治システムを確認し、そのあと テスト頻出の3つの法律を紹介します。
しっかりついてきてくださいね!