ポイントの3つ目は「芸術分野の発達」です。
唐の時代には大きな混乱が見られず、中国は比較的安定していました。
そんな時代だからこそ、中国ではこれまでになかった 新しい分野 が発達します。

まずは 詩 の分野に注目します。
こちらを見てください。

全部で4人の人物を紹介します。
1人目は 王維 です。
彼は自然をテーマに創作活動を行い、詩だけではなく、 山水画 を描いたことでも知られます。

2人目は 李白 です。
彼は生涯のほとんどを自由気ままに生きた詩人で、「詩仙」と称されました。
政府や権力者に仕えるのではなく、自分の思うがままの人生を送ったのです。

3人目は 杜甫 です。
彼は妻子とともに流浪の生活を送った詩人で、李白の「詩仙」に対して「詩聖」と称されました。

4人目は 白居易 です。
彼は「長恨歌」という作品で 玄宗と楊貴妃の悲恋を描いた ことで有名です。

続いて 絵画・書道 の分野に注目します。
こちらを見てください。

絵画については、山や水、川を題材とした 山水画 が多く描かれました。
山水画を描いた人物として有名なのが、 呉道玄 です。
彼は、自然以外にも人物や神仏などもテーマにした作品を残しています。

書道の分野では 顔真卿 （がんしんけい）が活躍しました。
彼は、中国では革新的な 力強い書風 を創始しました。
今までの中国の書道は きれいに細く書く のが一般的でしたが、
顔真卿の影響で、力強さをアピールする作品も増えていきます。

ちなみに彼は、玄宗皇帝の時代に 安史の乱 が起こった際、
義勇軍を率いて唐王朝を助けています。
顔真卿は単なる芸術家ではなく、なんと軍人でもあったのです。

唐の時代の文化、しっかり覚えておきましょう。