5分で解ける!イスラーム世界(第3問)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
解説
問題(1)
②文章自体は正しいですが、 ナスル朝 についての記述です。
③ブワイフ朝に始まった イクター制 を整備したのはセルジューク朝ですね。イクター制は、軍人に現金ではなく 土地の徴税権を与える 給与制度でした。正解は ③ となります。
④文章自体は正しいですが、 ガズナ朝 についての記述です。
問題(2)
解説を始める前に、 文化史の正誤問題を解くポイント をお伝えします。どの時代でも、基本的に 人物名 と その業績や作品 をセットでおさえましょう。なぜなら 人物と作品の組合せを入れ替えた間違い選択肢がよく登場するからです。
例えば①の選択肢。
フィルドゥシー の代表的な著作は『 シャー=ナーメ 』(『王の書』)という叙事詩。『 世界史序説 』は歴史家 イブン=ハルドゥーン による作品です。人物と作品の組合せが異なるので、正解は ① となります。
他の選択肢の組合せは問題ありません。
② フワーリズミー と 代数学
③ イブン=シーナー と『 医学典範 』
④ ウマル=ハイヤーム と『 ルバイヤート 』
人物名 と その業績や作品 をセットでおさえておきましょう。
問題(3)
①イスラーム教徒に課せられた義務行為を 六信五行 といいます。五行の一つとして有名なのが 断食(ラマダーン) です。この選択肢は問題ありません。
②イスラーム教では、ムハンマドは「 最後 」にして「最高」の預言者とされます。「最後」という部分がポイントで、つまりは ムハンマド以前に預言者がいたことは認めているのです。 ユダヤ教・キリスト教のところで勉強した モーセ や イエス らが、イスラーム教では預言者とされています。ムハンマドは 最後の預言者 ではあっても、 唯一存在した預言者 ではありません。この文章は誤りなので、正解は ② となります。
③メッカにある カーバ神殿 はイスラーム教の聖殿です。
④イスラーム教の聖典を『 コーラン 』といいます。
どちらも問題ありません。
最後に イスラーム世界の勉強のポイント をお伝えします。
まずは ムハンマド時代~正統カリフ時代~ウマイヤ朝・アッバース朝 の流れをおさえ、次に 各地域に成立した王朝 を時系列に沿って覚えましょう。
例えば、イベリア半島からマグリブ地方にかけては 後ウマイヤ朝 → ムラービト朝 → ムワッヒド朝 → ナスル朝 。エジプトの場合は ファーティマ朝 → アイユーブ朝 → マムルーク朝 。王朝の名前と順番も大切です。
このように、イスラーム世界では たくさんの王朝が登場します。 まずは王朝の名前を登場順に覚え、その後で各王朝の建国者や有名な制度を覚えていきましょう。
イスラーム世界の問題
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①の記述は間違いだらけです。建国者は アイバク ではなく トゥグリル=ベク 。 大アミール ではなく スルタン の称号を得ました。ちなみにアイバクは 奴隷王朝 の建国者で、 大アミール は ブワイフ朝の君主がアッバース朝カリフから授けられた 称号です。