5分でわかる!自らを守るための工夫
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は「封建制度」です。
この授業では、中世ヨーロッパの 社会のしくみ に注目します。まずは、前回までの授業を振り返りましょう。
相次ぐ民族の侵入と、人びとの不安
中世ヨーロッパ世界では、375年に ゲルマン人の大移動 がありましたね。彼らはヨーロッパ各地に移動し、ゲルマン人国家を多数建国しました。その多くは短命に終わりましたが、唯一長生きしたのが フランク王国 でした。
フランク王国は長生きしましたが、結局は分裂してしまいます。この分裂と同時期に、北欧で暮らしていた ノルマン人 が移動を始めます。彼らは ヨーロッパ各地に侵入してきたのです!
ゲルマン人の侵入の次は、ノルマン人の侵入。ヨーロッパで暮らす人びとは 不安で仕方ありません。 土地や財産を奪われたらどうしよう、殺されてしまったらどうしよう...。こうした人びとの不安を背景に、「 封建制度 」と呼ばれる社会の仕組みが誕生することになったのです。
封建制度ってどんな制度?
封建制度は、ローマ末期の 恩貸地制度 (おんたいちせいど)と古ゲルマン社会の 従士制 (じゅうしせい)が融合して成立しました。 恩貸地制度 とは、有力者に土地を預けて、再び借りる制度です。有力者の名前を借り、 自分の土地が奪われないように守ってもらう わけです。一方の 従士制 とは、有力者に忠誠を誓いその従者となる制度です。
恩貸地制度と従士制。
この2つの制度が合体し、 封建制度 が誕生しました。
こちらを見てください。
封建制度では、主君が家臣に 封土 (領地)を与え、家臣は主君に対し 軍役の義務 を負います。 両者ともに義務を負う 、このような関係を「 双務的契約 」といいます。
土地を与える代わりに、もしもの時は戦いに参加してもらう。土地をもらう代わりに、もしもの時は戦いに参加する。主君も家臣も、それぞれの義務を守る必要があったのです。
新たな社会階層が登場
少し話が変わりますが、当時のヨーロッパ社会には 階層制 (ヒエラルヒー)が存在していました。 国王 、 諸侯 、 騎士 の3つの階層です。こちらを見てください。
1つ目の 国王 は「 形式上のリーダー 」です。
2つ目の 諸侯 は広大な支配地域と家臣をもつ有力者を指します。ちなみに、この諸侯の中から選ばれた 代表者 が国王となったので、国王は「 形式上のリーダー 」という位置づけでした。あくまで諸侯の「 代表者 」であり、絶対的な権力を握っていたわけではありません。
3つ目の 騎士 は、3つの階層では一番序列が低い存在です。彼らは 馬に騎乗して戦う ことが主な役割でした。騎士は諸侯や国王に家臣として仕えたのです。
以上、封建制度について説明しました。
社会不安が高まった中世ヨーロッパにおいて、土地や財産を守るため、主君と家臣が 双務的契約 を結んだのです。今回学習した内容を、しっかり覚えておきましょう。
中世ヨーロッパ世界の成立の4回目。
今回は「封建社会の成立」について学習します。