5分でわかる!西ヨーロッパは閉ざされた世界!?
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイント1では 封建制度 について勉強しましたね。
封建制度は 自分の「土地」や財産を守るために誕生した制度 でした。そして、その「土地」というのは、これから勉強する 荘園 のことを指しているです。こちらを見てください。
下の方を見ると、小さな家がありますね。これは農民たちが暮らす家です。イラストの真ん中から少し左上に視線を移すと、少し大きな家もあります。これは 領主 (王や諸侯)が暮らす家です。
イラストの右上には 田んぼや畑 が見えます。領主は、荘園で暮らす農民に農作業を行わせていました。このように荘園とは、単なる土地ではなく 一つの村 だったのです。
領主直営地と農民保有地
荘園には、大きく2種類の土地が存在しました。
領主が直接経営した 領主直営地 と、
領主が農民に保有させた(=貸した) 農民保有地 です。
領主直営地で獲れた作物は、全てが領主のものとなりました。
農民保有地で獲れた作物のうち、農民は一部を領主に納める必要がありました。
不輸不入権と領主裁判権
当時、荘園領主には 不輸不入権 (インムニテート)が認められていました。領主は 国王の課税権や裁判権を拒否できた のです。
また、荘園内では 領主裁判権 も認められていました。
領主は農民を裁判で裁くことができたのです。このように領主の力は非常に強かったので、農民にとって領主の言うことは絶対でした。
農奴にはたくさんの義務が課せられた...
領主に雇われている農民・小作人のことを 農奴 (のうど)と呼びます。農奴には様々な義務が課せられていました。こちらを見てください。
領主直営地を耕作する 賦役 、収穫物の一部を領主に納入する 貢納 、教会に対して納入した 十分の一税 、さらに 結婚税 や 死亡税 。農奴には多くの義務が課せられ、領主に搾取されていたのです。
荘園は「閉ざされた世界」/教会の発言力が強まる!
結婚して領外に出れば、結婚税を払わないといけない。このルールは 領外に出なければ結婚税を払わなくていい ということの裏返しです。貧しい農民たちはもちろん、同じ荘園内で結婚し、一生を過ごすことを選びます。荘園はまさしく 閉ざされた世界 だったのです。
閉鎖的な荘園において、唯一の情報発信者が 教会 でした。人びとはやがて 教会の言うことを丸呑みにし、疑うことをしなくなります。 外部の世界と接触できないため、疑いようがなかったのです。
このように、荘園は「閉ざされた社会」です。だからこそ、情報発信者である教会の発言力が高まりました。この後の章では、荘園世界で力をつけた ローマ教会 の動きを見ていくことになります。
ポイントの2つ目は「荘園における農民の生活」です。
今回は「 荘園 」について勉強します。