5分で解ける!中世西ヨーロッパ世界の膨張に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
政治的な安定と気候の温暖化
まず、中世西ヨーロッパ世界が膨張していく過程について確認します。10~12世紀に起きた 中世農業革命 では、新たな農法として 三圃制 が普及し、 重量有輪犂 の発明と合わせて農作物の生産高が大きく上昇しました。それに伴い人口も飛躍的に上昇し、次第に人が住む土地が不足するようになります。
土地が不足したことで、西ヨーロッパ世界の人びとは新たな土地を求めて外の世界に進出していくことになります。その例として、12~14世紀の 大開墾時代 や、 ドイツ騎士団 が中心となって行われた 東方植民 、そしてイベリア半島のイスラーム勢力を駆逐した 国土回復運動 (レコンキスタ)が挙げられます。
教会の洗脳が行き届いた結果…
続いて、ローマ教会・教皇の権力がピークに達した時代に起きた出来事について確認します。11~12世紀の西ヨーロッパ社会では、キリスト教にゆかりがある土地を訪れる 巡礼 が大流行しました。 ローマ や イェルサレム 、 サンチャゴ=デ=コンポステラ などが人気を集めていましたが、荘園から出られない一般農民にはかなわぬ夢でした。
人びとの間で巡礼への思いが高まる一方で、シリア・アナトリアに進出した セルジューク 朝の圧迫によって ビザンツ帝国が危機を迎えます。 切羽詰ったビザンツ皇帝はローマ教皇に救援を要請。教皇 ウルバヌス2世 は1095年に クレルモン公会議 を開催し、ビザンツ帝国の要請に応えるべく 十字軍の派遣を提唱しました。
まさに!「中世」を象徴する出来事!
最後に、十字軍の歴史について確認します。
キリスト教勢力は、第1回十字軍(1096~99)では 聖地イェルサレムの奪回に成功 し、 イェルサレム王国 を建国しました。
しかし、次第にイスラーム勢力の反撃に苦しむようになり、劣勢に立たされます。
第3回十字軍(1189~1192)では、アイユーブ朝の サラディン が聖地イェルサレムを占領します。聖地奪還のため、イギリス・フランス・神聖ローマ3国の君主が軍を率いて遠征に向かいますが、成果を挙げることは出来ませんでした。
第4回十字軍(1202~1204)では ヴェネツィア商人 の策略でビザンツ帝国の都 コンスタンティノープル を占領し、 ラテン帝国 を建国するに至ります。この頃になると、十字軍が当初掲げていた 聖地奪回 という目的は無視され、単なる侵略戦争に成り下がってしまいました。
第6・7回十字軍(1248~1254、1270)も、フランス王ルイ9世が単独で軍を率い、エジプト・チュニジアを攻撃するという有様でした。およそ200年間にわたって行われた十字軍派遣は結局失敗に終わり、 教皇権の失墜と諸侯の没落につながっていったのです。
中世ヨーロッパ世界の展開の練習
高校世界史Bの問題
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- 第三勢力の台頭と米ソの歩み寄り
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- 経済危機と冷戦の終結
- 現代文明と各地の紛争
今回は中世西ヨーロッパ世界の膨張についての学習でした。
内容をおさらいしていきましょう。