5分で解ける!中世都市の発展に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
商業ルネサンス!
まず、11~12世紀に起きた 商業ルネサンス について確認します。商業ルネサンスの結果、ヨーロッパでは 3つの商業圏 が登場しました。
1つ目が 地中海商業圏 です。アジアから 香辛料 や宝石・絹織物を輸入する 東方貿易(レヴァント貿易) を行っていました。
2つ目は 北欧(北ヨーロッパ)商業圏 です。北海・バルト海を舞台に海産物や穀物・木材などを取引しました。北欧商業圏には、北ドイツ諸都市のほか毛織物業で栄えた フランドル 地方が含まれていました。
3つ目が 内陸商業圏 です。地中海商業圏と北ヨーロッパ商業圏の 中継貿易 で栄えました。内陸商業圏に含まれるフランス北東部の シャンパーニュ 地方では、年に5~6回の 大規模な定期市 が開催され、最大の商品集積地としてにぎわいました。
中世都市の特徴は?
続いて、商業が活発になったことで各地に形成された 中世都市 の特徴を確認します。
中世都市の大きな特徴は、封建領主から特許状を取得して 自治権 を獲得したことにあります。中世ヨーロッパにおける「自治権」は「独立権」とほぼ同じ意味を持っており、自治を獲得した都市はいわば 独立国 のようなものでした。
イタリアでは自治都市のことを コムーネ と呼び、ドイツでは皇帝直属の自治都市のことを 帝国都市 (自由都市)と呼んでいました。
自治権を得た中世都市は、他の都市と同盟を結んで自治権を守ろうとしました。これを 都市同盟 といいます。
都市同盟の例として、12~13世紀の北イタリアで ミラノ を中心に結成された ロンバルディア同盟 や、 リューベック を盟主とする北ドイツの ハンザ同盟 が挙げられます。
都市は自由!人は不自由!?
最後に、中世都市における市民の生活について確認します。
「 都市の空気は(人を)自由にする 」というドイツのことわざのように、中世都市は諸侯や領主に対抗できるほどの大きな力を持っていました。
しかし、都市で暮らす市民は決して平等ではありません。有力商人による 商人ギルド が13世紀以降に市政を掌握したのに対し、 手工業者の同職ギルド(ツンフト) は市政に参加できず、厳格な身分制度も存在していました。
のちに同職ギルドは ツンフト闘争 を展開し、結束して大商人たちと戦い、政治への発言権を獲得することになります。
中世ヨーロッパ世界の展開の練習
高校世界史Bの問題
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今回は中世都市の発展についての学習でした。
内容をおさらいしていきましょう。