5分でわかる!中世を象徴する学問の発達!
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は「学問と文学の発達」です。中世ヨーロッパで発達した 学問 と 文学 に注目します。まずは学問から。
スコラ学の発達/「哲学は神学の婢」
中世ヨーロッパでは スコラ学 という学問が発達しました。ジャンルとしては 神学 に分類されます。要は キリスト教を研究する学問 です。
中世ヨーロッパでは 神学が重視されていました。 「 哲学は神学の婢 (はしため)」という言葉があるほどです。「はしため」とは、召使いの女性を指す言葉。召使いが主人に仕えるように、哲学も神学に仕える。つまり 哲学に対する神学の優位性 を表す言葉なのです。こんな言葉が登場するほど、中世ヨーロッパ世界では神学が重視されていました。
スコラ学の成立過程で、実在論と唯名論が衝突!
スコラ学が成立するまでには、 実在論 と 唯名論 という2つの考え方の論争がありました。ちなみに、この論争を 普遍論争 と呼びます。以下では、それぞれの考え方と代表的な人物を紹介します。
実在論を唱えた代表的な人物は アンセルムス です。実在論とは 神の存在を自明のものとし、「神とは何か?」という問い自体を禁止する考え方です。 神の存在を疑い、「神とは何か?」と考えるのではなく、神の存在を前提にしてしまうのが、実在論の考え方でした。
一方、 アベラール という人物は 唯名論 を唱えました。アベラールは、アンセルムスが禁じた「神とは何か?」という問いを肯定します。その問いこそ キリスト教を熱心に信仰していることの表れである と主張しました。
トマス=アクィナスが『神学大全』を著す
アンセルムスとアベラールの間に入ったのが トマス=アクィナス です。彼は著書『 神学大全 』の中で 神を定義することの難しさ を説き、普遍論争に終止符を打ちました。
トマス=アクィナスによって普遍論争が一段落したあとも、引き続きスコラ学は栄えました。 ウィリアム=オブ=オッカム は理性と信仰を明確に分離し、近代合理論への道を拓きます。 ロジャー=ベーコン はイスラーム科学の影響を受け、実験と観察を重視しました。
文学(騎士道物語)の発達
続いては 文学 に注目します。
中世ヨーロッパでは、文学作品のジャンルの中でも 騎士道物語 が流行しました。封建社会で活躍した 騎士 を題材にした物語を、騎士道物語といいます。こちらを見てください。
中世ヨーロッパの代表的な3つの作品を紹介しています。
『 ローランの歌 』『 アーサー王物語 』『 ニーベルンゲンの歌 』の3つです。
『 ローランの歌 』は、カール大帝の対イスラーム戦を描いた作品です。主人公ローランは、味方と協力してイスラーム勢力と戦いますが、最後は矢を受けて亡くなってしまいました。『 アーサー王物語 』は、ケルト人の伝説的な英雄を題材とし、聖杯伝説や円卓の騎士の伝承が盛り込まれた作品です。『 ニーベルンゲンの歌 』は、ゲルマン神話を題材とする英雄叙事詩で、英雄ジークフリートが活躍する作品です。
このように、中世ヨーロッパでは 騎士を描いた作品が多く誕生しました。 3つの文学作品、タイトルをしっかり覚えておきましょう。
中世ヨーロッパ世界の各国史、第6回。
今回は「中世ヨーロッパ文化」について学習します。