5分でわかる!北宋を圧迫した周辺民族たち
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は「北宋の周辺民族」です。
前回の授業では 北宋 王朝について勉強しました。今回は、この北宋に圧力をかけた 周辺民族 と、彼らが建国した3つの国、 遼 ・ 西夏 ・ 金 に注目します。
遼|契丹を率いて耶律阿保機が建国
最初に紹介するのは 遼 (りょう)という国です。 耶律阿保機 (やりつあぼき)という人物が、 契丹 (きったん)という民族を率いて建国しました。 耶律阿保機は建国者の名前、契丹は民族の名前 です。
周辺民族の中でも、遼は特に北宋を圧迫していました。地図をご覧ください。
北宋と遼、そして後ほど紹介する金と西夏の領土が示されています。よく見ると、遼の領土は一部 北宋の領土内に入り込んでいますね。 この場所は、前回の授業で紹介した 燕雲十六州 です。
五代の一つ 後晋 は、建国の際に 契丹 の力を借りました。その見返りとして契丹に 燕雲十六州を割譲した のです。契丹が建国した遼は、こうした経緯で北宋の内部に領土を有し、北宋にプレッシャーをかけていたのです。
北宋は遼と「澶淵の盟」を結び、平和状態を維持
北宋にとって、遼との戦いは大きな負担でした。そこで北宋は 和平条約 を結び、戦争を回避しようとしたのです。その和平条約が、1004年に締結された 澶淵の盟 (せんえんのめい)でした。この取り決めで 北宋は遼に毎年貢物を送ることになりました。 その対価として、遼は北宋を攻撃しないことを約束したのです。
ちなみに遼は、国内では 二重統治体制 を実施していました。遊牧・狩猟民(契丹族)と農耕民(漢人)を分けて統治したのです。
最終的に、遼は 金 という国に滅ぼされてしまいます。その後、金の攻撃から逃げ延びた 耶律大石 (やりつたいせき)という人物が、 西遼 という国を建国しました。
西夏|タングート族を率いて李元昊が建国
続いて紹介するのは 西夏 という国です。 李元昊 (りげんこう)という人物が、 タングート族 を率いて建国しました。
金|女真族を率いて完顔阿骨打が建国
最後に紹介する国は 金 です。 完顔阿骨打 (わんやんあぐだ)という人物が、 女真族 を率いて建国しました。
女真族は元々 契丹に支配されていた民族でした。 遼の支配から脱した後、中国東北部に金を建国したのです。
女真族は、道教をモデルに 全真教 という新たな宗教を創始しました。また 猛安・謀克 という軍事・行政組織を、女真人や契丹人に適用しました。
以上、北宋を圧迫した遼・西夏・金の3国を紹介しました。それぞれの特徴をしっかり覚えておきましょう。
東アジア世界の展開、第2回。
今回は「征服王朝と北宋の衰退」について学習します。