5分でわかる!元は中国人に媚びない!
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この動画の要点まとめ
ポイント
基本的には宋の制度を継承/科挙は一時廃止
中国を支配するにあたり、元は基本的に 宋代の諸制度を継承しました。 ただし、官僚登用試験である 科挙 は一時停止します。時間をかけて儒学を勉強しないと官僚になれない科挙制度は、モンゴル人にとって不都合だからです。
政治的な階層制
元は、中国統治にあたって 身分的な階層制 を設けました。モンゴル人を頂点とし、2番手に 色目人 、その次に 漢人 、最後に 南人 とし、民族を区別しました。
色目人は イラン人 や 中央アジア系の民族 です。商業が得意な民族が多く、財務官僚に登用される人もいました。
漢人は かつて金に支配されていた人びと です。主に 女真族 が漢人に分類されました。
南人は かつて南宋に支配されていた人びと です。あまり重要な役職は与えられませんでした。
大運河の補修や海運の振興
さらに、元は中国の 隋 王朝の時代に建設された 大運河 を整備しました。加えて 海運 (海上輸送)を振興し、 駅伝制 を整備しました。
以上の政策で、元は 陸・海の交易ルートを整えたのです。 対外遠征で領土を拡大するだけではなく、領土内での交易体制をしっかり整備しました。
元代に栄えた貿易港
元の時代には、海上交易によって港湾都市が栄えました。こちらを見てください。
大運河の南端に位置する 杭州 、世界第一の貿易港だった 泉州 、古くから南海貿易の拠点として栄えた 広州 などが、元の時代に発展しました。
紙幣と文字の普及
元は、金の時代から使用されていた 交鈔 (こうしょう)という紙幣を発行しました。交鈔の普及により、広い範囲で経済活動が活発になりました。
文字については、表音文字である ウイグル文字 を普及させました。さらに、フビライ=ハンが パスパ という人物に命じて パスパ文字 を作成させました。
フビライがチベット仏教を保護/交鈔をつくりすぎて財政が悪化!
モンゴル帝国では、歴代ハンが チベット仏教 を保護しました。特に元の フビライ はこの仏教を重視しました。先ほども登場した パスパ を国師として厚遇し、国内にチベット仏教を浸透させようとしたのです。
フビライは、チベット仏教を広めるために 寺院をたくさん建立しようとしました。 そして、寺院の建立費用をまかなうために 交鈔を濫発(らんぱつ)したのです。 お金をつくりすぎたことで、元の経済は悪化してしまいました。
白蓮教徒が紅巾の乱を起こす!
経済悪化をきっかけに、元で暮らす人びとの不満が高まります。1351年には、 白蓮教徒 が中心となって 紅巾の乱 が発生しました。白蓮教は、貧しい農民を中心に支持を集めていた宗教です。
紅巾の乱には 朱元璋 (しゅげんしょう)という人物が参加していました。貧しい農民の家に生まれた朱元璋は、紅巾の乱で頭角を現しました。彼の活躍で、元は都であった 大都 を奪われ、次第に衰退していきました。
ポイントの2つ目は「元の中国支配」です。
前回の授業では フビライ=ハン が建国した 元 を紹介しました。陸・海の交易ルート確保のため、元は積極的に対外遠征を行っていましたね。その遠征の中で、元は 中国をも支配下におさめました。 今回は、元は支配した中国をどのように統治したのかに注目します。