5分でわかる!国が思想を統一するための手段
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は「国家編纂事業」です。
明・清の時代には 人々の思想を統制するため に、国が主導で書物を編纂(へんさん)しました。これを 国家編纂事業 と呼びます。明・清代に行われた編纂事業について、まずは明の時代から見ていきましょう。
明代の国家編纂事業
明の時代に編纂された 4つの書物 を紹介します。こちらを見てください。
1つ目は、四書の注釈書として編纂された『 四書大全 』です。儒学の重要な教典である 四書・五経 のうち、四書に関する解釈が記されています。同様に、2つ目の『 五経大全 』には五経に関する解釈が記されています。
3つ目は『 性理大全 』です。宋学の全集として、代表的な著述や学説がまとめられています。
4つ目は『 永楽大典 』です。名前から分かるように、明の 永楽帝 の時代に編纂されました。永楽大典は類書、つまり 百科事典 です。
清代の国家編纂事業
続いて、清代に編纂された 3つの書物 を紹介します。こちらを見てください。
1つ目は、康熙帝の時代に編纂された『 康熙字典 』です。この書物は 42,000以上の漢字について、読み方や意味をまとめた字典です。
2つ目は『 古今図書集成 』です。1万巻にわたる 中国最大の類書(百科事典) として知られています。
3つ目は、乾隆帝の命で編纂された『 四庫全書 』です。乾隆帝は、当時現存していた中国のほぼすべての書籍を集め、10年の歳月をかけて書き写させて『四庫全書』にまとめたのです。このように、一度世に出た書物をまとめ、ひとまとめの書物として出版した本を 叢書 (そうしょ)といいます。
叢書の編纂には、現存する全ての書物をくまなく調べる必要があります。つまり、乾隆帝が『四庫全書』作成を命じた理由の一つには 禁書の捜索 という側面があったのです。
以上、明・清の時代の国家編纂事業を紹介しました。明代の4つの書物と、清代の3つの書物を覚えておきましょう。
明・清の時代、第6回。
今回から2回の授業で「明・清の文化」について学習します。