5分でわかる!すごく似ている2つの王朝!
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この動画の要点まとめ
ポイント
高麗の時代
新羅の次に朝鮮統一を成し遂げたのは 高麗 (こうらい)です。都は 開城 (かいじょう)、建国者は 王建 (おうけん)です。
高麗が栄えた時期、中国では 宋 王朝が栄えていました。宋の時代には、唐末期からの混乱によって 多くの貴族が没落 し、 形勢戸 (けいせいこ)などの 新しい支配階層 が登場しました。
高麗でもこれと似た状況が起こりました。新羅の 骨品制 のもとで 貴族 とされた人びとは没落し、高麗の時代に 新しい支配階層 が登場したのです。それが 両班 (やんばん)と呼ばれる 特権身分の官僚 でした。
高麗では 仏教文化 も栄えました。 高麗版大蔵経 (こうらいばんだいぞうきょう)という、木版印刷のお経が作られたのです。
また、世界最古の 金属活字 が発明され、本などの印刷に用いられました。さらに、宋の 青磁 の影響を受けて 高麗青磁 と呼ばれる陶磁器が作られました。一説では、高麗青磁は 中国の技術を上回っていた とされます。高麗の文化はとてもレベルが高かったのです。
朝鮮の時代
高麗の次に朝鮮を統一したのが 朝鮮 です。 李氏朝鮮 や 李朝 と呼ぶこともあります。
朝鮮の都は 漢城 (漢陽)です。現在の韓国の首都 ソウル にあたります。建国者は 李成桂 (りせいけい)という人物です。彼の「李」の字をとって、朝鮮王朝のことを「李氏朝鮮」と呼ぶ場合があります。
朝鮮では、上下関係を重んじる 朱子学 が官学化され、官吏登用試験として 科挙 が実施されました。朱子学の官学化と科挙の実施。これは同時代の 中国の明・清王朝と同じ です。
そして、朝鮮王朝の時代から 両班 が政治を独占します。両班は、高麗の時代に登場した 特権身分階級 でしたね。同じく高麗の時代に登場した 金属活字 の技術も、朝鮮の時代にさらに発達していくことになります。
朝鮮の国王として有名なのが、第4代 世宗 (せいそう)です。彼は 訓民正音 という文字を制定したことで知られます。
当時の朝鮮では中国の影響が強く、主に漢字が使われていました。世宗は民衆にとって使いやすい文字を作るために、朝鮮独自の文字である 訓民生音 を制定したのです。訓民生音は、20世紀になって ハングル と呼ばれるようになりました。ちなみに現在、世宗は韓国の 1万ウォン紙幣 に描かれています。
16世紀になると、朝鮮は 豊臣秀吉 の侵攻を受けました。 織田信長 亡き後に権力を握った豊臣秀吉は、2度にわたって 朝鮮侵攻 を行ったのです。この出来事は朝鮮と日本とで呼び方が異なります。朝鮮では 壬辰・丁酉の倭乱 (じんしん・ていゆうのわらん)、日本では 文禄・慶長の役 (ぶんろく・けいちょうのえき)と呼ぶのです。
この戦いでは、朝鮮の 李舜臣 (りしゅんしん)が活躍しました。彼は 亀船 ( 亀甲船 )を使用した戦術で、豊臣秀吉の軍を苦しめました。
1644年、中国で 明 が滅亡すると、朝鮮では「 小中華 」という思想が芽生えました。 清を「中国」とは認めず、朝鮮だけが正統な「中国」を継承している という考え方です。
清を建国したのは、中国人ではなく 満州人 です。朝鮮の人たちは、異民族の国家である清を中国とは認めず、 自分たちだけが正統な中国文化を受け継いでいる と考えたのです。このような考え方を「 小中華 」といいます。
以上、 高麗 と 朝鮮 の歴史を紹介しました。それぞれの王朝の時代に起こったできごとを、しっかり区別して覚えておきましょう。
ポイントの2つ目は「高麗と朝鮮」です。
ポイント1で紹介した 新羅 は、半島統一後、935年に滅亡してしまいます。
ポイント2では 新羅滅亡後に栄えた2つの国 を紹介します。