5分でわかる!なぜ大昔の文献を読む必要があるの?
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は「ルネサンスとは何か」です。
そもそも ルネサンス とはどういう意味で、
どのようにして生まれたのかに注目します。
ルネサンス=文芸復興
ルネサンスには、日本語で言うと 文芸復興 という意味があります。 文学や芸術をもう一度発展させる ということですね。では、なぜ文芸復興をする必要があったのでしょうか?その理由を知るために、まずはルネサンスが始まった時代の背景を見ていきましょう。
教会中心から個人中心の価値観へ
ルネサンスの動きは 14世紀のイタリア で始まり、15世紀に西ヨーロッパ各国に広まりました。注目していただきたいのは「 14世紀 」という年代です。実は、14世紀は 教会の権威が大きく揺らぎ始めた時代 でした。
その大きな理由が 十字軍の失敗 です。イスラーム教徒との戦いとして始まった十字軍遠征は結局失敗し、発案者であったローマ教皇は立場を失いました。また、十字軍に参加した人びとは 荘園の外の世界 を目にし、これまで盲信してきた 教会への不信感 が強まったのです。
こうした背景から、ヨーロッパの人びとの価値観は大きく変わりました。 教会中心の価値観から、個人を重んじる人間中心の価値観へと変化したのです。
個人を重んじる人間中心の価値観を ヒューマニズム(人文主義) といいます。また、この考え方をもつ人びとをヒューマニストと呼びます。ヒューマニズムは ルネサンスの基本精神となりました。
ヒューマニズムの精神のもと、皆が人間らしさを求める時代の到来。しかし、ここでひとつ問題がありました。
例えば男性のみなさんは「武士らしく生きなさい」と言われて武士らしく生きられますか?女性のみなさんは「平安貴族や紫式部のように生活しなさい」と言われてできますか?正直できない、というより 良く分からない ですよね。
「武士らしさ」や「平安貴族のような生活」なんて、これを読んでいるみなさんのほとんどは知らないと思います。知らないことは実践しようもありませんよね。
当時の人びともこれと同じでした。長らく教会の言いなりになっていたこともあり、「 人間らしさ 」とは何か良く分かっていなかったのです。
「人間らしさ」を求めて古典研究が盛んに!
「人間らしさ」を知ろうとしたヨーロッパの人びとは キリスト教が浸透する以前の文献にあたろう と考えました。こうして、ルネサンスの時代には ギリシア・ローマ時代の古典研究が進展しました。
キリスト教に洗脳される前の、人びとの赤裸々な姿を研究することで「人間らしさ」を取り戻そうとしたのです。
以上、ルネサンスの始まりについての説明でした。人びとの考え方が変わり、 教会中心の価値観 から 個人を重んじる人間中心の価値観 へと変わったことをおさえておきましょう。
ルネサンスと大航海時代、第1回。
今回は「ルネサンスの始まり」について学習します。