5分でわかる!なぜ海に出る?そしてなぜ海に出られる?
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は、「大航海時代が始まった要因」です。
15~16世紀頃に、ヨーロッパの人々が積極的に航海にくり出した時代を 大航海時代 といいます。彼らはなぜ海に出ようとしたのでしょうか?またどうやって航海を実現したのでしょうか?今回は、大航海時代が始まった背景に注目します。
香辛料が欲しい!
大航海時代が始まった要因の一つが 胡椒(こしょう) などの 香辛料 です。ヨーロッパの食事は 肉食 がメインですが、当時は冷蔵庫など肉を保存する技術がありませんでした。そこで、肉を保存したり味を変えることもできる香辛料の出番というわけです。
しかし、香辛料の原料となる植物は ヨーロッパの気候では育ちません。 そのため アジアから輸入するしかなかったのです。 香辛料は当時 銀と取引されるほどの貴重品でした。
以前、中世都市の授業で「 東方貿易 」という言葉を紹介しました。北イタリアの人々が、アジアの商人と取引を行った貿易のことです。この貿易の様子を、地図で詳しく確認してみましょう。
北イタリアの人たちがアジアに向かい、現地で香辛料を入手。そして香辛料をヨーロッパに持ち帰っていたのです。
オスマン帝国が東方貿易を妨害!香辛料を手に入れるため、大航海時代が始まる
ところが、ここである問題が起こりました。15世紀になると オスマン帝国が地中海東岸を占領 し、東方貿易を妨害したのです。ヨーロッパに入ってくる香辛料が減り、価格はどんどん上がっていきました。
これを受けて、ヨーロッパでは 直接アジアに行って香辛料を手に入れよう という動きがおこりました。これが、大航海時代が始まったきっかけのひとつです。
アジアへのあこがれ
大航海時代が始まった理由は、香辛料の他にもありました。それは アジアへのあこがれ です。こちらを見てください。
ヴェネツィア出身の旅行家 マルコ=ポーロ は、自身の体験をもとに『 世界の記述 』という旅行記を著しました。その中には日本も登場し、黄金や真珠であふれた国 ジパング として紹介されています。こうした記述はヨーロッパの人たちの期待を高め、アジアへと出航する動機となりました。
航海技術の向上
前回の授業で ルネサンス三大発明 を紹介しました。その中の一つに 羅針盤 がありましたよね。大航海時代には羅針盤の実用化が進み、より遠くまで航海することが可能になりました。こうした航海技術の進歩も、大航海時代が始まる要因として重要です。
航海にはお金がかかる!
香辛料が欲しい、黄金の国ジパングにも行ってみたい。羅針盤も実用化され、遠くまで航海することも可能になった。これで誰もが気軽に船を出せるようになった…わけではありませんでした。
考えてみてください。船をつくる費用、乗組員の給料、食料、医療器具…たった一回の航海にも、多くの人・モノ・お金が必要になるのです。
これだけの準備は とても個人の力ではできません。 航海の費用は 国家が負担する必要がありました。 そして、航海の費用を負担し、乗組員を集めることができるのは、国王が大きな力を持つ 中央集権体制 を整えた国だったのです。
以上、大航海時代が始まった背景を説明しました。しっかり復習しておきましょう。
ルネサンスと大航海時代、第4回。
今回は「大航海時代の幕開け」について学習します。