5分でわかる!破壊!略奪!スペイン人の過酷な支配
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この動画の要点まとめ
ポイント
大航海時代、スペインはアメリカ大陸にやってきて、破壊や略奪などの過酷な支配を行いました。今回はその支配の様子を学習します。
先住民を酷使して銀を採掘
アメリカで征服活動や植民地経営を行ったスペイン人のことを 征服者 ( コンキスタドール )といいます。彼らはアステカ帝国やインカ帝国を次々に滅ぼすなど、征服活動を進めました。その中で、彼らは ポトシ銀山 を発見しました。
1545年に発見されたポトシ銀山は アメリカ大陸最大の銀山 です。一時は世界最大の銀産出量を誇ったとも言われています。
スペイン人は 先住民を酷使して銀を採掘させ、その銀をヨーロッパに輸出することで利益を得た のです。この銀が、前回の授業で勉強した 価格革命 の原因になりました。
エンコミエンダ制の導入
16世紀にスペインは エンコミエンダ制 を制定しました。これは、先住民をキリスト教に改宗させさえすれば、彼らを労働力として使う許可を国が与えるという制度でした。先住民を無理やり働かせることを国が認めていたわけです。
宣教師ラス=カサス、国王に訴える!
エンコミエンダ制、なかなかにひどい制度ですよね。実際、スペインによる過酷な支配に耐えかねて 多くの原住民が命を落としていました。 この現状を見かねたスペインのドミニコ修道士 ラス=カサス は『 インディオの破壊についての簡潔な報告 』を著し、スペイン国王にインディオの惨状を訴えました。
黒人奴隷を導入し、労働力を確保…
ラス=カサスの訴えもむなしく、多くの先住民が命を落としていきました。労働力を失い、さすがのスペインも反省…はしませんでした。なんとスペインは さらなる労働力の確保 に乗り出したのです。それが 黒人奴隷の導入 です。数が減った先住民の代わりにアフリカの黒人を連れてきて、労働力の不足を補おうとしました。
スペインは、旧来のエンコミエンダ制をやめ アシエンダ制 に切り替えました。こうして、広い土地で黒人奴隷を使って商品作物を栽培する プランテーション が行われるようになります。商品作物とは、輸出することを目的につくる作物のことで、この時代は さとうきび や コーヒー などが主でした。
アメリカを足掛かりにアジアへも進出!
さらにスペインは、アメリカ支配を機にアジアへも手を伸ばします。ガレオン船を用いた アカプルコ貿易 です。
スペインの商人が、メキシコの アカプルコ とフィリピンの マニラ を結んで行った貿易をアカプルコ貿易といいます。中南米からマニラへ行き、取引した品物をヨーロッパに持ち帰る、という流れです。アカプルコ貿易によって、スペインはアメリカを中継地点としてアジア地域への進出をも果たしたのでした。
以上、スペインによるアメリカ支配の説明でした。スペインが大規模な破壊と略奪を繰り返してアメリカを支配したこと、その支配を足掛かりにアジア地域とのアカプルコ貿易を展開したことをおさえましょう。
ポイントの2つ目は、「スペインによるアメリカ支配」です。
ポイント1で紹介したように、メソアメリカ文明のアステカ王国は スペイン の コルテス に、アンデス文明のインカ帝国は スペイン の ピサロ に滅ぼされました。そう、どちらもスペインによって滅ぼされたのです。