5分でわかる!いまの世界があるのはカルヴァンのおかげ!?
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は、「スイスの宗教改革」です。
前回の授業はドイツでしたが、今回は スイス が舞台です。ドイツにおける ルター のように、スイスで宗教改革を進めた人物に注目します。
ツヴィングリの宗教改革
スイス宗教改革については2人の人物を紹介します。
1人目は、スイス最大の都市 チューリヒ で活動した ツヴィングリ です。こちらを見てください。
ツヴィングリは ルター の活動に感化され、チューリヒで宗教改革運動を実施しました。彼はルターと会談し、協力して改革を進めようとしたのですが、意見の相違からうまくいきませんでした。
彼は次第に孤立し、最終的にはカトリック諸侯との闘いで戦死してしまいました。ルターほどの大きな成果を上げることはできなかったものの、彼のカトリック批判の精神は後世に受け継がれていきました。
カルヴァンの宗教改革/天国に行けるかどうかはもう決まっている!?
続いて紹介するのは、スイスの都市 ジュネーヴ で活動した カルヴァン です。こちらを見てください。
カルヴァンは著書『 キリスト教綱要 』で 予定説 を唱えました。彼によれば 魂の救済は人間の意志や行動とは無関係 で、 あらかじめ神によって決められている そうです。神の意思は絶対であり、人間の行為は無意味だと主張したわけです。
カルヴァンは「お金儲け」を奨励した!
あらかじめ神によって決められているのなら、自分が天国に行けるかどうかを知るにはどうすれば良いのでしょうか?カルヴァンはこの問いにこう答えました。「神の与えた仕事(= 天職 )に励めば、自分の救済を確信できるはずだ」と。自分の仕事は神に与えられたものだと考え、精一杯働きなさいと説いたわけです。
旧来のカトリックでは、お金をためることは卑しいことだとされました。余計なお金があるなら教会に寄付せよ、というスタンスだったのです。
しかし、カルヴァンは労働することと、お金をためることを奨励します。 キリスト教で初めて、富を蓄えることを承認したのです。 彼の考えは現代の 資本主義の基礎を作った と言われています。
カルヴァンは他にも 長老主義 という考え方を唱えました。教会の運営は牧師と信徒の代表者で行い、教皇が任命した司祭者はおかない、という主張です。
さらに、カルヴァンは1541年から14年にわたり、ジュネーブで政治的・宗教的な改革を行いました。彼が行ったこれらの改革を 神権政治 と呼びます。
ヨーロッパ各国にカルヴァン派が登場!
スイスで生まれたカルヴァン派の思想は、瞬く間に広まっていきました。 イングランド、スコットランド、フランス、ネーデルラント(オランダ) がその代表例です。
カルヴァン派の呼称は国によって異なります。 イングランド では ピューリタン 、 フランス では ユグノー など、様々な名前で呼ばれました。呼び方は違えど、これらは全部 カルヴァン派 です。
以上、スイス宗教改革について説明しました。改革を進めた2人の人物、 ツヴィングリ と カルヴァン 。特にカルヴァンの教えはヨーロッパに広まり、カルヴァン派が誕生することになりました。しっかり覚えておきましょう。
宗教改革の3回目。
今回は「スイス・イギリス宗教改革」について学習します。