5分でわかる!イギリスの市民革命をみる視点
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この動画の要点まとめ
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市民革命 とは、イメージで言うと「 市民と国王のケンカ 」です。自分たちの意見を政治に反映させるため、市民は国王の力をおさえつけようとしました。この動きを「市民革命」と呼びます。
今回の舞台は イギリス です。
まずはイギリスの位置を地図で確認しましょう。
こちらを見てください。
イギリス市民革命は、どのような経緯で発生し、どのような結末を迎えていくのでしょうか?これから市民革命についてお話しするのですが、その前に 当時のイギリスの政治体制 を確認しようと思います。こちらを見てください。
国王は、伝統的な 議会 および ジェントリ と協力してイギリスを統治していました。議会は国の予算を組んだり、法律を作ったりする役割を担いました。ジェントリは、特にジェントリの中でも 大土地を所有する地主 が中心となって、地方統治を担当していました。
イギリスの国王は、議会やジェントリと協力して統治を行っていました。だからこそ 国王といえども議会やジェントリを無視した政治は出来なかったのです。 宗教改革の章で勉強した ヘンリ8世 や エリザベス1世 といった名だたる君主たちも、議会やジェントリと 協力体制 を築けていたからこそ、王の力が強かったのです。
宗教についても、王の力は強力でした。ヘンリ8世が創設しエリザベス1世が確立した イギリス国教会 は、国王が完全に統制していました。当時のイギリスは カトリック教会の排除に成功していたのです。
第1回「国王と議会の対立」
1603年、イギリス国教会を確立したエリザベス1世が亡くなると同時に、イギリスの王朝 テューダー朝 が途絶えることとなりました。そこで新たに ジェームズ1世 が即位し、 ステュアート朝 という王朝を創始しました。
ここで1つ大きな問題がありました。なんと、ジェームズ1世は イギリスの伝統的な政治体制を無視する統治(専制政治)を行ったのです。 これまで協力関係にあった議会は当然、王に反発することになります。
第1回の授業では、国王の 専制政治 を要因とする 国王と議会の対立 について勉強します。ジェームズ1世は 議会やジェントリを無視して、自分勝手な政治を行ったのです。 新しい国王による 専制政治 の内容と、それに対する 議会の反発 に注目です。
第2回「クロムウェルの独裁と王政復古」
自分勝手な国王と議会の対立は、ついに 市民革命 へと発展することになります。1640年、 ピューリタン革命 と呼ばれる市民革命が始まりました。この革命の中で、なんと イギリス国王が処刑されてしまうのです。 こうしてイギリスは、史上初めて国王のいない 共和政 の時代を迎えることになりました。
わがままな国王から解放され、市民は自由になれた...はずでした。ところが共和政の時代には、ピューリタンの政治家 クロムウェル による 独裁政治 が行われることになったのです。人びとは不満を募らせ、クロムウェルの死後に 再び国王による政治体制に戻そうとしました。 この動きを 王政復古 と呼びます。
しかし、新たに即位した国王は、またもや 専制政治 を行おうとしました。再び国王と議会は対立し、議会は国王の力を制限しようと考えました。以上、第2回の授業では クロムウェルの独裁政治 と 王政復古 の動きに注目します。
第3回「議会政治の完成と産業革命の始まり」
第3回の授業では、ついに 議会政治 が完成する様子を学習します。国王ではなく議会が政治を行うようになったのです。国王は完全に「飾りもの」となり、実質的な政策決定は議会が担うようになりました。こうしてイギリスは、市民の声が政治に反映される世の中に変わっていったのです。
当時のイギリスは 重商主義政策 を採っていました。重商主義政策とは、財政を富ませるために 国家が積極的に経済に介入する政策 です。イギリスは 輸出を増やし、貿易で利益を得ようとしていました。
優れた製品を作れば、外国からの需要が高まり、さらに輸出量を増やすことができます。貿易で利益を得るために、優れた製品を作ることが求められるようになったのです。こうした背景から、イギリスでは 産業革命 が始まっていくことになります。
産業革命によって、これまで手作業で作っていたものが 機械で作れるようになりました。 誰が作っても 同じ品質 の製品が作れるようになったのです。また、機械が登場したことで人びとの働き方も変わってきました。その結果 イギリス社会そのものが変わっていくことになったのです。 以上、第3回では 議会政治の完成 と 産業革命の始まり について勉強します。
第4回「産業革命」
第4回では イギリス産業革命の展開 について勉強します。
誰がどんな技術を開発したのか、 人名と技術の組合せ を覚えてあげましょう。
第5回「産業革命が社会に及ぼした影響」
第5回では 産業革命がイギリス社会に及ぼした影響 について勉強します。産業革命によって、製品の製造技術はもちろん、イギリス社会そのものが大きく変化しました。これは 産業革命を迎えた国の宿命 ともいえる変化なのです。いったいどのような変化が起こったのでしょうか?
また、イギリスで始まった産業革命は、その後欧米諸国にも広がっていきます。どの国で産業革命が起こったのか、注目してください。
ヨーロッパ・アメリカの中でいち早く 市民の声が政治に反映される体制を整えた イギリスは、 世界で初めて産業革命を迎えることができました。 全部で5回の授業を通して、イギリスの市民革命と産業革命について勉強していきましょう!
第22章「イギリスの市民革命」のガイダンス授業です。
この章では、計5回にわたって イギリスの市民革命 について勉強します。