5分でわかる!イギリスの産業革命は社会そのものを変えた!
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は「産業革命に伴う社会の変化」です。
前回の授業では 産業革命 について勉強しましたね。 織機 や 紡績機 が開発されたり、 蒸気機関 が様々な機械へと応用されたことを説明しました。
今回の授業では 産業革命が社会に与えた影響 について勉強します。社会の中心が農業から工業へと変化したことで、どのような変化や影響が見られたのでしょうか?
ちなみに今回はイギリスを例に説明しますが、 産業革命を迎えた国では同じような変化が発生することになります。
資本主義体制の確立|経営者vs労働者
これから、産業革命が社会に与えた影響を 3つ 紹介します。
1つ目は 資本主義体制の確立 です。
こちらを見てください。
産業革命が進展すると 産業資本家 が台頭することになります。産業資本家とは「産業革命を担ったお金持ち」のことです。彼らは 工場 や 機械 など、商品を作るための 生産手段 を所有し、労働者を雇って生産を行わせていました。
このように、生産手段を持つ資本家や企業が労働者を雇い、商品を生産・流通させることで利潤を得る仕組みを 資本主義 といいます。
資本主義体制が確立すると、必ずといっていいほど ある問題 が発生します。 資本家と労働者との対立 です。工場の所有者である資本家と、資本家が所有する工場で働く労働者とでは、やはり資本家の方が立場が強くなります。
労働者たちはしばしば、長時間労働や低賃金労働を強いられることもあったのです。労働者たちは労働条件の改善を求め、資本家と争うようになります。
都市への人口集中|農村部の人口が激減!
産業革命が社会に与えた影響、2つ目は 都市への人口集中 です。こちらを見てください。
産業革命により工業がさかんになると、農村から都市へと多くの人が移動するようになります。都市に人口が集中すると、周囲の農村部では人口が減少します。こうして 地方と都市の人口バランスが崩れていったのです。
ちなみにイギリスでは、綿工業がさかんな マンチェスター 、製鉄業や機械工業がさかんな バーミンガム 、マンチェスターの外港 リヴァプール といった都市に人口が集中しました。
労働問題|女性や子どもの長時間労働
産業革命が社会に与えた影響、3つ目は 労働問題の発生 です。こちらを見てください。
産業革命期の労働問題として 女性・子どもの労働 が挙げられます。女性や子どもが大量に雇われ、工場で長時間労働や低賃金労働を強いられるという問題が発生しました。
産業革命により機械による生産体制が整うと、 熟練した技術を持つ労働者は不要になります。 機械を操作できれば誰でも同じ商品を作れるわけですからね。そうなると、工場の経営者にとっては、 成人男性よりも女性や子どもを雇った方が人件費が安くて済む わけです。
こうした背景から女性や子どもが多く雇用され、結果的に劣悪な労働環境で働かされるという問題が多発しました。
また、1811年には ラダイト運動 と呼ばれる運動が起こりました。これは、機械の普及により職を失った手工業者たちによる 機械うちこわし運動 です。自分たちが失業した恨みを機械にぶつけたわけですね。
以上、産業革命が社会に与えた3つの影響を紹介しました。 資本主義体制の確立 、 都市への人口集中 、 労働問題の発生 の3つです。
今回はイギリスを例に説明しましたが、この3つは 産業革命を迎えた国の宿命 ともいえる事態なのです。
イギリスは「世界の工場」
世界で最初に産業革命を達成したイギリスは、19世紀の中ごろには 世界最大の工業国 として君臨しました。
当時のイギリスは世界各地から輸入した原材料を加工し、質の高い製品を世界中に輸出する「工場」のような役割を果たしていました。そこから、当時のイギリスの繁栄を指して「 世界の工場 」と表現することがあります。
世界最大の工業国として繁栄を遂げる一方、国内では様々な問題を抱えていたことも合わせて覚えておきましょう。
イギリス市民革命の5回目。
今回は「産業革命が社会に及ぼした影響」について学習します。