5分で解ける!イギリスの市民革命(第3問)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
解説
問題(1)
農業革命が進展したことで、イギリスでは 今までよりも少ない人口で農業を行うことが可能になりました。 すると当然、農民の中には職を失う者も出てきます。選択肢の文章は「大量の 自作農 が創出された」となっていますが、これは土地を失った 失地農 であれば正解でした。この選択肢は誤っているので、正解は ① となります。農業革命の進展により増大した失地農たちは、都市部に流入して 工場労働者 となりました。
②~④の記述は、イギリスが産業革命を迎えた要因そのものです。
②毛織物産業の発達による 資本の蓄積 。
③ 広大な植民地 を得たことによる 市場の確保 。
④ 市民革命 を経て行われた 自由な経済活動 。
これらの要因が合わさって、イギリスは世界に先駆けて産業革命を迎えることとなったのです。
問題(2)
①の選択肢は問題ありません。
機械 の登場で、これまで手作業でつくっていた商品を機械で作れるようになりました。機械を操作できれば誰でも作れるため、熟練した技術は不要となり、さらに商品を作るのに必要な労働者の人数も少なくて済むようになったのです。機械の普及により仕事を失った手工業者や、仕事を失うことを恐れた労働者たちは 機械うちこわし運動 を起こしました。これを ラダイト運動 と呼びます。
②の選択肢も問題ありません。
先ほども説明しましたが、機械が普及したことで誰でも簡単な操作で商品を作れるようになりました。ボタンを押したり燃料を入れたり、単純作業さえできればいいわけなので、職人の熟練した技術は必要ありません。そこで工場の経営者たちは、人件費が安くて済む 女性や子ども を雇うようになったのです。
③ 綿工業都市 といえばリヴァプールではなく マンチェスター です。 リヴァプール はマンチェスターの 外港 として栄えた都市なので、この選択肢は誤り。正解は ③ となります。
④の選択肢は問題ありません。
資本家と労働者の対立 が見られるようになったのも産業革命の影響です。雇う側である資本家と、雇われる側である労働者との間には、 労働時間 や 賃金 といった労働条件をめぐる争いが起こります。この対立が発生するのは 産業革命を迎えた国の宿命 ともいえます。
この章では、17~18世紀のイギリスに注目しました。
まずは イギリス市民革命 の授業で 国王の専制政治に対する議会の抵抗 について勉強しましたね。ステュアート朝の ジェームズ1世・チャールズ1世・チャールズ2世・ジェームズ2世 の4人の国王の在位期間に 2回の革命 が起きました。
国王の専制政治ぶりは、彼らの宗教政策によく表れていました。ジェームズ1世とチャールズ1世は イギリス国教会 を強制し、チャールズ2世とジェームズ2世は カトリック を強制したのです。4人の国王の政策と、それに対する議会の抵抗とをセットでおさえておきましょう。
市民革命を経たイギリスは、18世紀後半に産業革命の時代に突入します。産業革命について勉強するときは、 技術者や開発者の名前とその業績 をセットで覚えるようにしてください。
加えて、大問3の問1でお話しした イギリスで産業革命が起きた要因 と、 産業革命がイギリスに及ぼした影響 についてもしっかり復習しておきましょう。
また、産業革命を迎えた国では、大問3の問2のような問題が発生することになります。イギリス以外の国でも産業革命はおこりますが、他の国もイギリスと同じ悩みを抱えるのです。この「悩み」についても、産業革命を迎えた国の宿命として、しっかり覚えておきましょう。
イギリスの市民革命の問題
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① 農業革命 とは、18世紀のイギリスにおける 農業技術や経営方式の変革 のこと。具体的には ノーフォーク農法 の普及や 第2次囲い込み の進展を指します。 ノーフォーク農法 とは、土地を4つに分け、大麦・クローヴァー・小麦・かぶを輪作する農法でしたね。