5分で解ける!アメリカ世界の成立(第3問)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
解説
問題(1)
まずaから見ていきましょう。
これは アメリカ独立戦争よりも前 の出来事ですね。イギリス本国によるボストン港閉鎖は ボストン茶会事件に対する報復措置 でした。フレンチ=インディアン戦争で財政が悪化したイギリスは、植民地側への課税を強化しようと 印紙法 や 茶法 を制定。この茶法に反対する植民地側が ボストン茶会事件 を起こし、この事件に対してイギリス本国が ボストン港閉鎖 を行ったのです。
次にb。
アメリカが「 ミシシッピ川以東のルイジアナを獲得 」したのは アメリカ独立戦争の講和条約 である パリ条約 の取り決めによります。つまり、bの内容は 独立戦争が終わったタイミング の出来事です。
最後にc。
トマス=ペイン による『 コモン=センス 』の刊行や トマス=ジェファソン による 独立宣言 の起草は、独立戦争において植民地側の団結を促し、鼓舞するという目的がありました。つまり、cの内容は 独立戦争中 のお話です。
以上から、独立戦争の前→最中→後の順番である ②a→c→b が正解となります。
問題(2)
問題文を読むと、イラストの人物について「 合衆国の初代大統領 」とありますから、彼は ワシントン だと分かります。選択肢から、ワシントンに関する記述として適切なものを選びましょう。
①「 ミシシッピ川以西のルイジアナを買収した 」のは、第3代大統領 ジェファソン です。彼はフランスからこの地を買収し、合衆国の領土を大幅に拡大しました。
②「 アメリカ=イギリス戦争が勃発した 」のは、第4代大統領 マディソン の時代です。
③アメリカ合衆国憲法では、司法・行政・立法の三権をそれぞれ別の機関にゆだねることが規定されています。この考え方を 三権分立 といいましたね。合衆国憲法は 三権分立を厳格に守る 内容になっているので、「ワシントンが三権を掌握した」とは考えにくいです。
④独立戦争の最中、ワシントンは フィラデルフィア で開催された 第2回大陸会議 で植民地司令官に任命されています。この文章は正しいですね。正解は ④ となります。
この章では「アメリカ世界の成立」について学習しました。
13植民地 の成立から、 アメリカ独立戦争 の経過、そして アメリカ合衆国憲法 が制定されたこともお話しましたね。
当初、13植民地はイギリス本国と良好な関係を築いていました。ところが、 七年戦争 と フレンチ=インディアン戦争 が発生すると、両者の関係が徐々に壊れていきます。戦争への出費がかさみ、財政難に苦しむイギリス本国は、13植民地に対して重税を課します。植民地側はこれに反発し、ついには独立戦争を起こしたのです。
両者の関係が悪化した原因や、イギリス本国が13植民地に課した税金の内容、そして独立戦争の経過と独立を勝ち取ったアメリカの政治体制について、しっかり復習しておきましょう。
アメリカ世界の成立の問題
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a~cの出来事を時系列順に並べ替える問題です。
こういう問題に対応するためには、細かい年号を覚えようとするのではなく、重要な出来事を結びつけて、大きな流れでとらえることを意識してください。