5分でわかる!こんなフランスはおかしい!
- ポイント
- ポイント
- 練習
この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は、「革命以前のフランスの状況」です。
18世紀後半におこった フランス革命 について勉強する前に、まずは 革命が起こる直前のフランスの状況 を整理します。こちらを見てください。
フランスのいびつな身分構造
上の図は、当時のフランスの人口分布を表しています。
当時のフランスには 第一身分 (聖職者)、 第二身分 (貴族)、 第三身分 (平民)の3つの身分が存在していました。このうち第一身分と第二身分は 特権身分 と呼ばれ、 免税特権 などが与えられていました。つまり 第三身分だけに税金が課されていたのです。
また、フランスの全人口のうち、特権身分が占めるのはわずか 2% でした。つまり 残りの98%はすべて第三身分の人たちだったのです。
ただし、第三身分の中にも経済的な格差がありました。地主や商人といった 富裕層 、いわゆる「一般の人びと」にあたる 中産階級 、小作人など立場が弱い人たちが該当する 下層階級 の3つです。
富裕層は、中産階級や下層階級と比べて現在の暮らしに不満を持っているわけではありません。そのため、彼らの多くは 立憲君主派 、つまり国王による政治は継続しつつ、憲法に基づく政治を行うべきだと主張しました。中産階級の多くは、国王を廃し、自分たちの代表による政治を行うべきだと考えました。 穏健共和派 の考え方です。下層階級の人びとは社会に切実な不満を抱いており、 早急な改革 を望んでいました。彼らの考え方は 急進共和派 と呼ばれます。
このように、第三身分の中にも格差があり、それぞれの主張は異なっていました。そして、富裕層・中産階級・下層階級の中で圧倒的に人数が多かったのは 下層階級 です。なんと、フランスの全人口の 90% を下層階級が占めていたのです。これだけ多くの人が生活に苦しんでいる一方で、第一身分や第二身分の人たちは 免税特権 が認められ、何不自由なく日々を送っていたのです。
こうしたいびつな身分構造にも見られるような、16世紀からフランス革命前までのフランスの政治・社会制度のことを アンシャン・レジーム (旧制度)と呼びます。
啓蒙思想の普及
当時のフランスでは 啓蒙思想 が普及していました。啓蒙思想とは、 理性に基づいて旧来の政治や社会制度を批判しようとする思想 のことです。13植民地がイギリス本国から独立を達成したこともあいまって、当時のフランスでは啓蒙思想が普及しました。啓蒙思想が普及したことで、人びとは国家や政府、旧来の制度による束縛を嫌い、自由を求めるようになったのです。
当時のフランスは財政難
また、当時のフランスにはお金がありませんでした。イギリスとの植民地戦争に敗北したり、アメリカ独立戦争を支援したりと、フランスは数々の戦争に参加し、財政は悪化する一方でした。しかし、国民も貧しいため税金をこれ以上徴収することもできません。
以上、フランス革命が発生する前のフランスについて説明しました。
いびつな身分構造、啓蒙思想の普及、財政の悪化。こうした要素が混在し、18世紀後半のフランスは非常に不安定な状態だったのです。
フランス革命の1回目。
今回は、「革命前夜の状況と革命の勃発」について学習します。