5分でわかる!凍らない港を求め、ロシアが中国を狙う!
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は、「ロシアの極東進出」です。
今回は ロシア の動きに注目します。
国土の大半が高緯度に位置するロシアは、冬になると 港が凍ってしまいます。 そこでロシアは「凍らない港」を求めて 南下政策 を展開していました。
これまでロシアは 黒海・バルト海 や 西アジア など、様々な方面への南下を試みていました。19世紀半ば、そんなロシアはついに 中国に目をつけたのです。
前回・前々回の授業で学習したように、当時の中国は アヘン戦争とアロー戦争での敗北を通して弱体化していました。 その様子を見たロシアは 中国方面への南下を進めるチャンス だと考えたわけです。
ロシアは 4つの条約 を通して中国方面への南下を進めようとしました。各条約の内容と、条約が結ばれた結果どうなったのかについて、これから説明していきます。
アイグン条約
1つ目が、1858年にロシアと中国の間で締結された アイグン(愛琿)条約 です。これは東シベリア総督 ムラヴィヨフ が中国に強く締結を迫った条約で、 黒竜江(アムール川) を国境とし、その左岸をロシアが領有することを認めさせる条約でした。
北京条約
2つ目が、1860年にロシアと中国の間で締結された 北京条約 です。この条約は アロー戦争の講和条約 として締結されました。アロー戦争については前回の授業で学習しましたね。
アロー戦争終結後、中国はイギリス・フランスと北京条約を結びました。実は、その条約締結をロシアが仲介したのです。ロシアは仲介した報酬として 沿海州の獲得 を中国に迫り、自身も「北京条約」を中国と結んだのです。
北京条約でロシアが獲得した場所について、教科書によっては ウスリー川以東 と書いている場合があります。ウスリー川以東の地域(沿海州)を獲得したロシアは、東アジア進出の拠点として ウラジヴォストーク を建設しました。
樺太・千島交換条約
3つ目の条約が 樺太・千島交換条約 です。これはロシアと 日本 の間に結ばれた条約です。中国とではないので気を付けてください。
この条約でロシアは 樺太 全島を獲得し、日本は代わりに 千島 を領有することになりました。
イリ条約
4つ目の条約が イリ条約 です。これはロシアと中国の間に結ばれた条約です。イリ条約によって、ロシアは 東トルキスタン の一部を獲得することとなりました。
アイグン条約で黒竜江を国境とし、北京条約で 沿海州 を獲得。樺太・千島交換条約で樺太全島を獲得し、イリ条約で東トルキスタンの一部を獲得。こうして、ロシアは極東南下政策を進めていったのです。最後に地図で確認しましょう。
アヘン戦争・アロー戦争の敗北で弱体化する中国に対し、ロシアは自国に有利な条約を締結し、必死に南下政策を進めていきました。
これだけのプレッシャーを受けて、さすがに中国国内でもあせりが生まれ、改革運動が見られるようになりました。次のポイントでは、中国の 改革運動 に注目します。
中国と朝鮮の植民地化、第3回。
今回は、「ロシアの極東南下と洋務運動」について学習します。